【最終予選】日本はチェコに敗れて2位、パラに向けた収穫と課題が明確に

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主将として、守備の要としてチームを支え続けた須藤(左)=エステルスンド・アリーナ(撮影/荒木美晴)
主将として、守備の要としてチームを支え続けた須藤(左)=エステルスンド・アリーナ(撮影/荒木美晴)

パライアスホッケーの平昌パラリンピック最終予選は14日、最終日を迎えた。ここまで3戦全勝の日本は、同じくパラリンピック出場権をすでに獲得しているチェコと対戦。0-1で敗れ、2位で大会を終えた。また、最後の「1」枠を争ったスウェーデンとドイツの試合は、スウェーデンが4-1で勝利した。この結果、来年3月の平昌パラリンピックには、カナダ、アメリカ、韓国、ノルウェー、イタリア、チェコ、日本、スウェーデンの8ヵ国が参加することになった。

■日本 0-1 チェコ

試合序盤から、アタッキングゾーンでのフェイスオフのチャンスは巡って来るものの、なかなかゴール前に詰めることができない日本。無得点のまま迎えた第2ピリオド、日本の守備が一瞬崩れた隙を突かれて、チェコに先制点を許してしまう。最終ピリオドでも、パワープレーの場面から攻めの展開に持ち込み、最後まで粘りを見せるが、ゴール前で数的優位な状況を作れず、惜しくも得点には至らなかった。

日本の攻撃はチェコの厚い守りに阻まれた
日本の攻撃はチェコの厚い守りに阻まれた

中北浩仁監督が「勝ちに行く」と話していたように、日本は得点を狙って動きの良い2セット回しで攻撃を仕掛けたが、チェコの堅守に阻まれ続けた。ただ、負けはしたが、チェコとは平昌パラリンピックで同じ予選グループに入るため、ここで一戦できたことは大きい。キャプテンの須藤悟(北海道ベアーズ)は、「これまでなら先制されると、続けて失点していたが、今日の試合では春から強化してきたディフェンスが機能していた。そこの精度を上げていけば戦える」と手ごたえを口にする。一方で、チーム全体の底上げを課題に挙げる。「3つ目のセットを早急にボトムアップしていかないと。最終予選では勝てても、パラで対戦するような上位の国には、やはりチームとして戦わないと厳しい」

中北監督もまた、「今回は三澤(英司)が欠けていたのでシステムのバランスが悪かった。今後はそうした予想外のことも想定し、カバーできるだけの戦力にしていかなければいけない。3つのセットの力が平均化できるように、パラまでの5カ月間で上げていく」と話す。

日本にとって、多くの成長と課題が見えた今大会。本番までにどれだけブラッシュアップできるか。これからの5カ月間の取り組みが、“真の日本再生”へのカギとなる。

■スウェーデン 4-1 ドイツ

劇的な勝利をおさめ、喜ぶスウェーデン
劇的な勝利をおさめ、喜ぶスウェーデン

勝利したほうがパラリンピック行きの切符を手にできる、注目の一戦。均衡を崩したのは、1‐1で迎えた最終ピリオド。ともに良い動きを見せるなか、ドイツがゴール前のディフェンスで反則を取られてしまう。そのパワープレーのチャンスで、スウェーデンが得点して2-1とリードした。試合時間残り1分で、ドイツはゴールキーパーをあげて6人攻撃でチャンスを作る。だが、スウェーデンの体を張ったディフェンスになかなか前を向けず、逆にこぼれたパックを拾われ、誰もいないゴールにシュートを決められてしまう。3-1としたスウェーデンは、残り31秒でダメ押しの追加点を入れ、試合を決めた。

ドイツは、トリノパラリンピックで4位に入っているが、その後は世界選手権のAプールとBプールを行き来する苦しい状況にある。今大会は初戦で日本に敗れてから、最後までリズムを掴みきれなかった。バンクーバー、ソチ、平昌と3大会連続でパラ出場を逃すこととなり、試合終了後、選手の表情には落胆と疲労の色がにじんでいた。

最終予選結果

優勝したチェコ、2位日本、3位スウェーデンが平昌パラリンピック出場権を獲得
優勝したチェコ、2位日本、3位スウェーデンが平昌パラリンピック出場権を獲得

1位 チェコ
2位 日本
3位 スウェーデン
・・・ここまでパラリンピック出場権獲得・・・
4位 ドイツ
5位 スロバキア

(取材・文・撮影/荒木美晴)