
きこえない・きこえにくいアスリートによる国際総合スポーツ大会「東京2025デフリンピック」が24日、大会10日目を迎えた。陸上の男子円盤投は、湯上剛輝(トヨタ自動車)が58m93を記録し、金メダルを獲得した。
湯上の自己ベストは64m48はデフの世界記録であり、健常者の男子円盤投の日本記録でもある。22日の予選を1位通過した湯上は、決勝でもその実力を発揮。一投目で54m46をマークすると順調に記録を伸ばし、4投目でデフリンピック新記録となる58m93をたたき出した。目標としていた自己ベスト更新はならなかったが、ライバルを寄せ付けない圧巻の勝利。初出場だった2017年のサムスン大会(トルコ)の銀メダル、コロナ禍による日本選手団の出場辞退で試合に出られなかった前回のカシアス・ド・スル大会(ブラジル)を経て、もっとも輝くメダルを手にした湯上は「素直に嬉しい、地元で金メダルが獲れてよかった」と笑顔を見せた。
また、陸上では男子4×100mリレーで2大会ぶりに金メダルを獲得。同4×400mリレーも日本が制した。テニスは女子ダブルス決勝に日本人ペア2組が駒を進め、菰方里奈・鈴木梨子組が6-1、6-2で宮川百合亜・杉本千明組を下した。

水泳では、茨隆太郎が男子100mバタフライで銀メダルを獲得。今大会6レース目で「最後の25mくらいで脚と腕がパンパンになってしまった。その中で全力を出し切り、その結果2位となれたのは嬉しい」と笑顔を見せた。25日に臨む残りの2種目で、再び頂点を狙う。初出場の17歳・串田咲歩は女子200m平泳ぎで銅メダルを獲得。22日の同100m平泳ぎに続く表彰台に、「金メダルを獲りたかったけれど、今の自分の全力を出せた」と胸を張った。
空手は個人組手で女子61㎏級の小倉涼が2連覇を達成。男子60㎏級の森健司は銅メダルを獲得した。卓球の日本代表は、女子団体で銀メダル、男子団体で銅メダルだった。
(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)













