フランス・パリで開催されているテニス全仏オープンは10日、車いすの部の最終日を迎え、男子シングルス決勝は第2シードの小田凱人(東海理化)が第1シードのアルフィー・ヒューエット(イギリス)を6-1、6-4で下し、グランドスラム初優勝を飾った。
試合は第1セットから小田のペースに。互いのサービスゲームをキープしたあと、第4ゲームを先にブレークすると、第6ゲームも3本のリターンエースを決めてブレークに成功した。第2セットはヒューエットが3度のダブルフォルトを犯して小田がブレーク。すぐにブレークバックを許すが、第4ゲームは5度のジュースから小田が粘りキープすると、両手を上下に動かして観客にアピールし、会場の雰囲気を作った。セットカウント5-4とリードした小田は第10ゲームもサーブで相手を崩し、最後はヒューエットのリターンがアウトになり、1時間28分の戦いに終止符を打った。
優勝が決まった瞬間、両手を横に広げて喜んだ小田。コートの真ん中では「1」を作った左手を空に高く掲げた。ベンチに戻る途中でこみあげる涙を拭きつつ、最後は熊田浩也コーチら陣営のもとへ駆け寄り、がっちりとハグを交わした。
世界ランキング1位のヒューエットと同2位の小田のポイント差は「45」で、今回の優勝により大会後の世界ランキングは小田がヒューエットの記録(20歳1カ月23日)を抜いて史上最年少(17歳1カ月2日)で1位に浮上する。
上地はダブルスで4度目V! シングルスは準優勝
女子シングルス決勝は、世界ランキング2位の上地結衣(三井住友銀行)が同1位のディーデ・デ フロート(オランダ)に2-6、0-6で敗れ、3年ぶり5度目の優勝はならなかった。女子ダブルスでも決勝に駒を進めていた上地は、K.モンジャネ(南アフリカ)とペアを組み、デ フロート・MF.モレノ(アルゼンチン)組を6-2、6-3で下し、優勝を果たした。
※後日、小田選手&上地選手の関連コラムを公開いたします!
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)