
開会式の翌日から12日間にわたり、熱戦が繰り広げられた第16回夏季東京パラリンピック競技大会。その閉会式が5日夜、オリンピックスタジアムで開催された。入場行進はなく、選手は開始前からフィールド内に設置されたイスに座って待ち、あとから国旗だけが入場するスタイルで式は進行。参加した選手たちは、試合の余韻も冷めやらぬまま、最後の東京の夜をマスク姿で満喫した。
新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、緊急事態宣言下で開催された大会は原則無観客で行われ、自国開催ならではの観衆を味方にすることはできなかったが、日本は金13、銀15、銅23と計51ものメダルを獲得。延期された1年をいかに前向きに、有意義に費やしてきたかが現れた結果となった。

日本選手団の主将を務め、車いすテニスシングルスで金メダルを獲得した国枝慎吾は、関係者や映像を通して声援を送ってくれた日本の観客に心からの感謝を伝え、「東京パラリンピックが終着点ではなく、通過点でなければならない」、副主将でゴールボール女子銅メダルに貢献した浦田理恵は「苦しい時間があってもその先には必ず光りがあること、いろんな支えがあって乗り越えられることを実感できた大会だった」と振り返った。
今回東京に集まったのは、さまざまな困難を乗り越えて競技に出合い、そこへ立ちはだかったコロナという壁をも乗り越えた選手たち。反対の声もあるなかで開催された東京大会がレガシーとなるかは、これからのパラリンピアンたちの活躍と本当の意味で共生社会が進むかにかかっている。
パリ大会は3年後、2024年に開催される。
(取材・文/山本千尋、撮影/植原義晴)