「2026ジャパンパラ陸上競技大会」が16日から2日間にわたり、名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで開催された。10月に同会場で行われる「愛知・名古屋2026アジアパラ陸上競技大会」の代表選考期間にあたる大会でもあり、各種目で熱戦が繰り広げられた。
男子200m(T64)では、大島健吾(名古屋学院大AC)が22秒76のアジア新記録で優勝。自身が持つ記録を0.23秒更新した。力みのないスタートからスピードに乗り、そのままトップでフィニッシュ。初日の男子100mでも11秒11のアジア新記録を樹立しており、短距離2種目で存在感を示した。「地元の声援が力になる。アジアパラでは100mと200mで差をつけて二冠達成したい」と意気込んだ。同クラスの井谷俊介(SMBC日興)は、走幅跳で自己ベストとなる6m42をマークし、アジアパラ出場へ前進した。
同200m(T13)は、日本記録保持者の川上秀太(アスピカ)と、大会記録保持者の福永凌太(セレスポ)が接戦を展開。ゴール直前までもつれこむなか、川上が大会新記録の21秒93で制し、福永が21秒97で続いた。また、同200m(T46)はで、石田駆(トヨタ自動車)が21秒92の日本新記録で優勝した。
同100m(T12)では、昨年の世界選手権で銀メダルを獲得した久野竜太朗(シンプレクス)が注目を集めた。予選2組目をトップで通過すると、決勝でも11秒18の大会新記録で快勝。ただ、自身が持つ日本記録更新には届かず、「自己ベストを狙っていたので」と悔しさをにじませた。
久野は小学2年の時に網膜色素変性症を発症。社会人になってから症状が進行し、盲学校へ進学した。そこでスポーツや音楽に打ち込む子どもたちの姿に刺激を受け、自身もさまざまなブラインドスポーツに挑戦するなかで、24歳で陸上競技を開始。当時はT13クラスで日本選手権やジャパンパラで表彰台に立った。世界選手権前に初めて国際クラス分けを受検してより重度のT12と判定され、世界の舞台でもメダルをつかんだ。今季の目標については、「アジアパラを圧倒的な強さで勝つこと。狙うのは10秒8台。金メダルを獲りたい」と力強く語った。
同走幅跳(T36)では、松本武尊(ACKITA)が2回目の跳躍で5m38をマークし、自身の日本記録を8センチ更新した。昨年末にはアメリカ・サンディエゴで合宿を行い、「スプリント力強化の成果が出た」と手応えを口にした。
女子800m(T34)では、吉田彩乃(WORLD-AC)が2分14秒33の日本新記録を樹立。初日の400mでも日本新、100mではアジア新を記録しており、好記録での3冠達成に「アジアパラに向けてよい弾みになった」と笑顔を見せた。
(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)
MA SPORTS 代表者、ライター