ブラインドサッカーの国際親善試合「さいたま市ノーマライゼーションカップ」が20日、フットメッセ大宮で行われた。世界ランク7位の日本代表は、同1位の強豪ブラジルと対戦し、1‐4で敗れた。
リオパラリンピックで4連覇を達成したブラジルに、世界王者の貫禄を見せつけられた。まずは前半7分、ブラジルのマルコス・アウヴェスが先制。日本は16分に川村怜からのパスを受けた黒田智成が右サイドからドリブルで崩し、同点に追いつくが、前半残り28秒でハイムンド・メンデスが追加点。1‐2で前半を折り返した。
ブラジルは後半に入ってもフィジカルの強さと個人技の高さを発揮し、日本の守備を突破。16分にはメンデスがボールをキープし得点すると、19分にはアウヴェスも本日2点目のゴールを入れて試合を決めた。
守備での課題が浮き彫りになり、ブラジルに完敗を喫した日本だったが、最後まで積極的に攻め込んだ点は自信につながった。現在はリオパラリンピック出場を逃した後に就任した高田敏志監督のもと、攻撃重視のチームづくりに取り組んでいる最中で、「過去のブラジル戦でこれだけシュートを打ったことはない」(高田監督)と攻撃面では手ごたえを感じた様子。また、長年チームの大黒柱として活躍する黒田も「攻撃の選択肢が増えている」と前向きだ。
今大会ブラジルは、エースストライカー・リカルドやジェファーソンら、リオパラリンピックでも活躍した選手数名が来日していない。対ブラジルの成績は、これで通算7戦全敗。日本とブラジルとの実力にはまだ開きがあるが、3年後の東京パラリンピックでブラジルと決勝戦を戦い、金メダルを獲ることを日本代表の目標に据えている。
「ホームで良いサッカーをし、圧倒的に勝つ。そこを目指してチャレンジしていきたい」と黒田。サッカーの可能性を追求する日本代表の挑戦に、注目していきたい。
(取材・文/荒木美晴、撮影/佐山篤)