「ヒューリック・ダイハツ Japanパラバドミントン国際大会2023」は11日、各クラスの準決勝が行われた。
男子WH1-WH2ダブルスは、松本卓巳(創政建設)・西村啓汰(パシフィック車いすバドミントンクラブ)組が、マレーシアのペアに21-19、21-18で競り勝ち、決勝進出を決めた。第1ゲームは序盤から互いに競り合う拮抗した展開に。障がいが重いWH1の西村にシャトルが集まるなか、12-12の同点の場面ではWH2の松本がすかさずフォローに入りながら攻め、ポジションを入れ替えるローテーションで連続得点に成功。第2ゲームも接戦となり、12-9から西村の鋭いカットや松本のスマッシュでリードを広げた。終盤は相手ペアの猛追で点差を縮められるが、松本・西村組は最後まで攻めの姿勢を崩さず、相手のアウトを誘い、勝利した。
松本は「ものすごく嬉しい。西村君が粘ってくれたおかげでストレートで勝てた」と話し、決勝に向けて西村は「相手の中国ペアはパワーもスピードもある。松本選手とのコンビネーションで切り抜けたい」と、意気込みを語った。
また、松本は男子WH2シングルスでも準決勝に登場し、東京パラリンピック銅メダリストの陳浩源(香港)と対戦。8-21、4-21で敗れたが、ジャパン国際では初めての銅メダルを獲得した。
女子SL4シングルスは、藤野遼(GA technologies)がカリトマシュ・サディヤ(インドネシア)に21-15、21-14で勝利し、決勝進出を果たした。序盤はリードされる展開となったが、藤野は要所で得意とするラウンド側からカットを決めてリズムを掴んだ。第2ゲームも主導権を握り、冷静に試合を運んだ。決勝では、東京パラリンピック金メダリストでライバルの程和芳(中国)と対戦する。先日の杭州アジアパラで対戦した際は攻撃の機会を見いだせずに準々決勝で敗れており、「決勝は守りから攻撃につなげたい」と意気込みを語った。
男子WH1シングルスの長島理(LIXIL)は、ムハマド・イフワーン・ラムリ(マレーシア)に10-21、15-21で敗戦した。ただ、3位決定戦はないため銅メダルを獲得。「ジャパン国際、パラリンピック、世界選手権を含めて日本開催の国際大会でメダルを取ったことがない」といい、「今回初めて獲得できて良かった」と振り返った。男子SL3シングルスの藤原大輔(ダイハツ工業)はマノージ・サルカール(インド)に19-21、21-19、17-21で敗れた。藤原は、体力的に厳しくなる第3ゲームは17-9とリードしたあと、「手と足がつってしまった」といい、そこから12連続失点を許し、力尽きた。
男子WH2シングルスの梶原大暉(日体大)、女子WH1の里見紗李奈(NTT都市開発)はそれぞれストレート勝利し、決勝に駒を進めた。同WH1-WH2ダブルスは、東京パラ金メダルの里見・山崎悠麻(同)組が同銀メダルの尹夢璐・劉禹彤組(中国)にストレートで敗れた。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)