パラバドミントン — 2018/6/24 日曜日 at 21:48:37

2020への機運醸成へ! 渋谷区でパラバドミントンの大会を開催

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WH1の世界ランキング5位の実力を発揮した長島理=渋谷区スポーツセンター

2020年東京パラリンピックから正式競技になるパラバドミントン。より多くの人に競技の魅力を知ってもらおうと24日、「渋谷区長杯第2回パラバドミントン大会」が渋谷区スポーツセンターで行われた。

試合は男女の車いす、立位あわせて7つのクラスを実施。パラバドミントンの大会実績がまだ少ない選手から日本障がい者バドミントン連盟の強化指定選手まで、41人がエントリーした。左脚義足の男子SL3の世界ランキング2位の藤原大輔(LINE)も安定したプレーで完勝し、会場を盛り上げた。

最多の12人がエントリーした男子車いすWH1は第1シードの長島理(LIXIL)が、準決勝で小林幸平(ブリヂストン)をフルゲームの末に下し、決勝に進出。その決勝では、同じく準決勝で第2シードの大江守(SOU)を破った村山浩(SMBCグリーンサービス)と対戦。長島は準決勝の後半に精度が落ちたドロップショットを意識して丁寧に打ち分け、21—12、21-14で勝利し、大会2連覇を果たした。

16歳・梶原大暉は決勝で敗れたが、フルゲームの熱戦を演じた

男子車いすWH2は、日本障がい者バドミントン連盟の“次世代アスリート”として成長を続ける梶原大暉(福岡市立福翔高)が国際大会の経験も豊富な先輩・渡辺敦也(アキレス)の胸を借り、決勝を戦った。“粘り強さ”を信条にシャトルを追い続け、僅差の勝負に持ち込んだが、渡辺の素早いチェアワークの前にショットミスが重なり、最後は力尽きて10-21、21-11、22-24で敗れた。

「まだまだ実力が足りません」と話す梶原は、高校2年の16歳。14歳の時に交通事故に遭って受傷する前は野球をしていたといい、昨年5月から、野球のフォームが活かせるパラバドミントン始めたそうだ。先輩たちの姿を追いかけ、急成長を遂げるなか、日本選手権の優勝、東京パラ出場を大きな目標に据える。今年9月には、梶原にとって初めての国際大会となる「ヒューリック・ダイハツJAPANパラバドミントン国際大会2018」(9月26日〜30日/町田市立総合体育館)が開催される。「諦めないプレーをするには体力が必要。身体づくりにも力を入れ、頑張っていきたい」と話し、気を引き締めていた。

男子立位のSL4、男子車いすWH1の決勝は、チアリーディングチームの応援やゲストの小椋久美子さんらの解説つきで実施された。コート横にも観客席が用意され、声援と拍手を送っていた。親子で訪れたという都内在住の男性は、「義足や車いすのクラスを見たのははじめて。想像以上にラリーが続き、見ごたえがあった。また応援に来たい」と話していた。

(取材・文・撮影/荒木美晴)