「ヒューリック・ダイハツ Japanパラバドミントン国際大会2023」は12日、各クラスの決勝が行われた。
女子SL4シングルスは、藤野遼(GA technologies)が東京パラ金メダリストの程和芳(中国)と対戦し、5-21、12-21で敗れた。序盤から相手の精度の高いショットと巧みな配球に先行を許し、連続失点した藤野。第2ゲームもコート上に吹く風の影響もあってアウトを重ねてしまう。終盤はリズムを変えようとスマッシュを打ち込むが、厳しいラインに返球され、追いつくことができなかった。
直前の杭州アジアパラでも対戦して敗れている藤野。「失うものは何もないので打っていったけど、全部上げられてしまった。次に対戦するときに今日みたいにならないように、自覚や練習に対する姿勢を見直して、いろいろと変えていかないといけない」と言葉を振り絞った。
男子WH1-WH2ダブルスは、松本卓巳(創政建設)・西村啓汰(パシフィック車いすバドミントンクラブ)組が、東京パラ金メダルの麦建朋・屈子墨組(中国)に4-21、15-21で敗れた。スピードとパワーを持つ相手ペアに主導権を握られ、また返球が少しでも甘く入ると強烈なスマッシュを叩きこまれた。第2ゲームに入ると西村の鮮やかなクロスカットや、松本のカバー力の高さが光る連携プレーで13-14と1点差に追いつくが、そこから5連続で得点を許し、押し切られた。
世界NO.1ペアに敗れはしたものの、堂々の銀メダルを獲得。松本は「西村選手と一緒にここまで来られたのはよかった。日本でメダルを獲れたことが一番うれしいし、感謝したい」と語り、西村も「アジアパラでも戦って予選敗退したので、今回は決勝まで残れてよかった。ただ、満足できる結果ではないので、練習して次に備えたい」と話し、前を向いた。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)