パラ卓球の国際大会「ITTF・PTTジャパンオープン2019東京大会」が1日、東京都の港区スポーツセンターで開幕した。日本で初めて開催されるITTF(国際卓球連盟)公認大会で、世界24カ国から180人を超える選手が集結した。大会は3日まで行われる。
車いすの選手で構成される「クラス1~5」と、立位の選手で構成される「クラス6~10」に、知的障がい者の「クラス11」を加えた全11クラスがあり、男女個人戦と男女団体戦の4種目が行われる。
大会初日は男女個人戦を実施。女子クラス5のリオパラリンピック5位入賞の別所キミヱ(ドマーニ卓球ク)は、決勝リーグで2連勝とし、優勝をかけて2日に韓国の選手と対戦する。昨年、交通事故に遭うなど不運が続き、現在もリハビリをしながら競技を続ける。「卓球をしたいのにできないのは本当につらかった」という苦悩の期間を乗り越え、今年復帰した。試合後は、「今日は“挑戦”の気持ちで挑んだ。明日ははじけたい。“蝶天”を目指す」と、トレードマークの蝶の飾りにかけて意気込みを語り、笑顔を見せた。
7月末に台湾で行われたアジア選手権で銀メダルを獲得した男子クラス9の岩渕幸洋(協和キリン)は、予選リーグ3戦全勝の1位通過で決勝トーナメントに進出。「1試合目は消極的なプレーで1セットを奪われてしまったけれど、その後は強気にいけた」と岩渕。表彰台に向けて、「強化しているバックハンドで魅せ、しっかり勝って来年の東京パラにつなげたい」と話した。
男子クラス7の来田啓幹(日本オラクル)は予選リーグ2勝1敗とし、同グループ2選手と勝敗で並んだが、得セット率で下回り、あと一歩のところで決勝トーナメント進出を逃した。しかしながら、第1試合ではロンドンパラリンピック金メダルのWollmert Jochen(ドイツ)をセットカウント3-2で撃破。第2試合では初対戦のチェコの選手にもサーブで崩して白星を勝ち取るなど、足跡を残した。
このクラスは世界的にも選手層が厚く、今大会は全カテゴリ中、最も多い20人が参戦。東京2020パラリンピックに向けて国内の競争も激しくなるが、今年6月のメキシコの大会では優勝を果たすなど、力を発揮している。「1月に転職して卓球に専念できる環境になったのが大きい」と話す来田。「世界ランク10位台の選手には少しずつ勝てるようになってきたので、次は1ケタの選手に勝てるようにしっかり練習していきたい。そこを勝ち抜くために、苦手なフォアとレシーブの強化に重点的に取り組んでいきたい」と語り、前を向いた。
2日は個人戦に続き、午後から男女団体戦が行われる。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)