車いすテニスの男子シングルス準々決勝で、日本のエース・国枝慎吾が敗れる波乱があった。第6シードの国枝は第2シードのヨアキム・ジェラード(ベルギー)と対戦し、3-6、3-6のストレート負け。史上初の男子シングルス3連覇を目指していたが、叶えることはできなかった。
第1セットは、第4ゲームでブレークを許すとそこから4ゲームを連取された。第2セットは第3ゲームをブレークされるが、すぐにブレークバックして3-3と追いつく。だが、その後は相手の深いリターンにミスショットを誘われるなど苦しい展開が続いた。
「自分の中の試合勘が完全には戻り切っていなくて、そこにこの3日間苦労していた」。肘の具合は問題なかったが、コースが甘くなり、ジェラードに次々と強打を打ち込まれた。「フォアもバックも、迷いが出ていた。振り切りが良くなかったし、ボールへの入り方もどこか居心地が悪いままやっていた。この大会を通してすごく不安視してた部分でもあって、試合が終わった後にすぐに練習に行ったりして、何とか感覚を戻したんですが、最後まで戻らなかった」と話した。
(取材・文/荒木美晴、撮影/吉村もと)