「World Para Alpine Skiing公認2022ジャパンパラアルペンスキー競技大会」は4日に最終日を迎え、回転が行われた。男子座位は、鈴木猛史(KYB)が1本目、2本目それぞれで用具のセッティングを変えて滑走。ともに40秒台のトップタイムで滑り、優勝した。
回転は前日までの大回転やスーパー大回転と比べて標高差が小さく、短い滑走コースの中で細かく素早いターンで旗門ギリギリのラインを滑っていくテクニカルな種目。この回転を得意とし、2014年のソチパラリンピックで金メダルを獲得している鈴木は「疲れもあったが、狙っていた種目だし、(森井や狩野ら)先輩に負けたくなかった」とコメント。2本目のコース設定は「自分向き」と感じたが、「思ったよりもタイムが出なかった。課題が残ったし、ここで満足せず、残りの合宿で仕上げていきたい」と話し、5度目となる大舞台を見据えた。
女子立位の神山則子(テス・エンジニアリング)は、出場1人の4戦すべてで完走した。24歳の時から左半身に麻痺がある。6年前から車いすで生活するが、アルペンスキーでは立って滑り、「スピード感が味わえて楽しい」と語る。
麻痺する左足の滑りのズレにより生じるタイムロスをいかに少なくするかを課題に据える。目標としてきた北京大会の代表に内定し、49歳で本番を迎える。「初めてなので大会の雰囲気は想像できないけれど、その中でできることを追求したい。楽しみです」と笑顔を見せた。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)