8日、日本障害者スキー連盟の2016-17シーズンの活動報告記者会見が日本財団ビルで行われた。
アルペンスキーのワールドカップ男子座位で2年連続3度目の総合優勝を果たした森井大輝、2月のノルディックスキー世界選手権で12年ぶりに表彰台に立った新田佳浩、スノーボードのピョンチャンパラリンピックのテスト大会でメダルを獲得した成田緑夢ら、3競技9名の強化指定選手のほか、各競技のヘッドコーチらが登壇した。
シーズンを振り返り、「3競技とも、大きな成果を出した」と猪谷千春会長。また、ピョンチャンに向け、個人の競技力向上はもちろん、「チーム力・組織力」が飛躍のカギになる、と各選手は口をそろえた。
登壇者の主なコメント
【パラアルペンスキー】
■志渉一志HC 「W杯最終戦の韓国大会で良い成績が出せたのは、2年前から(パラが開催される)3月にピークを持ってくる、という取り組みを掲げ、やってきたトレーニングが成果としてあらわれたと考えています。今年も8月からチリ遠征を実施し、来年のパラリンピックでメダルがとれるよう、死ぬ気で頑張ります」
■森井大輝 「今シーズンは(高速系種目に関しては)空気抵抗を減らす「カウル」を導入し、プレ大会でも勝つことができました。ピョンチャンでは、日本人選手はカービングターンが巧いので雪煙があまり上がらないところを見てもらいたいですし、またチェアスキーには各国いろいろなテクノロジーやノウハウが詰まっているので、そこも注目してもらいたいです」
【パラノルディックスキー】
■長濱一年HC 「世界選手権とワールドカップで目標の5個を上回る10個のメダルを獲得でき、大成功の一年でした。出来島(桃子)や阿部(友里香)、新田(佳浩)のメダルが他の選手にも良い影響を与えたと思います。男子はますます秒差の激戦になると予想されますが、必ずメダルを獲りたいと思います」
■新田佳浩 「日本は天然雪ですが、ピョンチャンは人工雪になるので、そこの対策が必要です。テスト大会では、細かい技術とコース取りが重要と感じました。日本はハンドストラクチャーやワックスを独自開発しているので、アドバンテージにしていきたいです。また、2015年からJISSと共同で体力測定や強化を行っており、その成果がピョンチャンにつながると思っています」
【パラスノーボード】
■二星謙一HC「(新種目の)パラスノーボードは昨年からスタートしたばかり。海外の大会を経験するごとに選手は成長していきました。昨年は大会や遠征がメインでしたが、今年は雪上合宿と陸上トレーニングをして、昨年以上の成績を残せるようにしていきたいです」
■成田緑夢「成績は残せたけれど、まだフルスイングしていたら当たった、という感じ。今年はしっかりと狙って結果を出せるようにしたいです。僕は左足が動かないので右足を中心に持っていってリカバリーする滑りに改善していきたいです。安定感ある滑り、応用力ある滑りを目指したいです」
(取材・文/荒木美晴)