18日ウィスラー・パラリンピックパークで行われたクロスカントリー男子・立位で、新田佳浩(LW6/8)が2位に33.6秒と大差をつけ優勝。今大会初の日本人
金メダリストとなった。2キロ地点超で1位になってから、ゴールまでずっとトップを守ったままの堅いレース運びだった。
新田は今回、日本人選手団の主将を務めており、その新田が初の金メダルをとれたことは日本人にとっても嬉しいことである。3歳の時に祖父の運転するコンバインに巻き込まれて左腕のひじから下を失った。以来ずっと自責の念を持ち続ける祖父に、金メダルを直接かけてあげたいという強い思いが金に導いたのだろう。新田は長野から4大会連続の出場だが、メダルはソルトレークシティ大会のクロスカントリー5キロの銅メダル以来となる。
新田のコメント
「前回のトリノではこの種目でメダルが期待されていたにもかかわらず転倒してしまった。最後のコーナーを曲がったあと、妻とファンの皆さんの声援が聞こえてきた。レースの前にもたくさんの励ましのメールをいただきました。今日まで日本勢に金メダルがなかったから、(金を)獲れて本当に嬉しいです。夢が叶いました」
またこの日は、ほかに女子5キロ視覚障害で鹿沼由理恵(B1)ガイド・大平紀夫が8位に入賞した。
同競技で1位になったドイツのBENTELE Verenaは、今大会で4つ目の金メダルを獲得。インタビュアーに「(そんなにたくさんの金メダルだと重いから)荷物の重量超過料金をとられるんじゃないんですか?」と言われ、「税金がかかってもかまわないわよ。でもスーツケースに空きスペースがほとんどないから、5個目の金を獲っちゃったら服を置いていくしかないわね。本当よ」と冗談でかわしていた。
また、女子5キロ立位では太田渉子(LW8)が11位に終わった。
(取材・文/加々美美彩、撮影/ナカハル)