長野市のビッグハットで開催されている「IPC公認 2012ジャパンアイススレッジホッケーチャンピオンシップ」は21日、準決勝2試合が行われた。決勝進出をめざす日本はノルウェーに1-4で敗れた。また、もう一試合のカナダ対韓国の試合は、6-0でカナダが勝利した。この結果、22日の三位決定戦は日本対韓国、決勝戦はカナダ対ノルウェーのカードとなった。
システム崩壊、中北監督は「最低の試合」
今大会の予選初戦ではノルウェーに勝利した日本。だが、今日は相手のスピードと体格を活かした激しいチェックにことごとく動きを阻まれ、序盤から攻守のシステムが崩れた。
ノルウェーは、スーパーエースで攻守の要であるRolf Pedersenをセンターに起用し、攻撃力アップを図った。守備面でも全員が日本のプレーヤーに激しくプレッシャーをかけ、戻りもスムーズ。試合序盤から試合の主導権を握った。
対する日本は、第2ピリオドの7分20秒に上原大祐(FW)がゴールを決め1点を返すが、そのわずか64秒後に再び失点、さらに終盤に日本のマークを振り切ったPedersenにロングシュートを決められた。
最終ピリオド、日本はノルウェーのペナルティーで2度のパワープレーのチャンスを得るが、どちらも攻めきれず。最後まで日本の流れを作れず、選手は肩を落とした。
試合後、中北浩仁監督は「最低の試合。自分たちのシステムが全く機能しなかった」と完敗を認めた。
三位決定戦は韓国と対戦
22日の三位決定戦では、韓国と対戦する。韓国は本日のカナダ戦で最終ピリオドに崩れ敗れはしたものの、中盤までは堅い守りでゲームメークする場面もあった。
韓国は2018年ピョンチャンパラリンピック開催が決まり、チームの強化に取り組んでいる。その成果か、6位に終わったバンクーバーパラリンピック時より組織力に磨きがかかった印象だ。いまのところ、格上を相手に全敗ではあるが惜敗もあり、確実に力をつけてきていることは各国とも認めている。
その韓国に対して、日本は予選で薄氷の勝利。さらに、「今日の試合では世界と戦えない」と中北監督が話すように、多くの課題を露呈した。それでも、ホームということで観客の大きな声援が後押しとなるはずだ。いま一度気を引き締めて、最後にもう一度強い日本を見せてほしい。
●21日試合結果●
<準決勝・第1試合>
日本 0-1-0=1
ノルウェー 2-2-0=4
(日本得点:①上原 A高橋)
<準決勝・第2試合>
カナダ 1-1-4=6
韓国 0-0-0=0
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(取材・文/荒木美晴、撮影/吉村もと)