パリ2024パラリンピックは競技最終日の8日、マラソンが行われ、男子車いす(T54)は鈴木朋樹(トヨタ自動車)が1分31秒23で3位でゴールした。
鈴木はスタートから3番手につけ、先頭のマルセル・フグ(スイス)と中国の選手を追う形でレースを展開。35キロで2番手に上がったが、最後に中国の選手に抜き返された。
セーヌ・サン・ドニ県のジョルジュ・ヴァルボン公園からスタートし、パリ市内の中心部を経て、オリンピックと同じアンバリッドでフィニッシュするコース。終盤の凱旋門付近は上り坂や石畳などの難所があり、鈴木もレーサーがパンクや石畳の間にハマらないよう前輪を分厚いタイヤにし、パンクをしても穴がすぐに塞がるような自転車用のシーラント(自転車のタイヤに入れる液体)を使うなど工夫して臨んだという。鈴木はテクニカルかつタフなコースに「余裕がなかった」と話すが、レース中は日本語で「逃げない、あきらめない」と口に出して走っていたといい、東京大会の7位からジャンプアップした銅メダルに「うれしい」と笑顔を見せていた。
女子車いす(T54)は土田和歌子(W-STAGE)が6位、喜納翼(琉球スポーツサポート)が12位だった。
また女子視覚障害者(T12)は、東京大会金メダリストの道下美里(三井住友海上火災保険)が銅メダルを獲得した。4着でゴールしたが、先着のスペインの選手が失格となり、繰り上がりで3位に入った。表彰式後、改めて報道陣の取材に応じた道下は、「4位だったのでどんな顔で日本に帰ろう……と思っていた。メダルがあるのとないのとでは全く違うので、嬉しい」と笑顔を見せていた。
男子視覚障害者(T12)は、堀越信司(西日本電信電話)が7位、和田伸也(長瀬産業)が9位、熊谷豊(三井ダイレクト損害保険)が10位だった。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)