「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」が5月17日、兵庫県神戸市の神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で開幕した。実施するパラリンピック種目において2位以上の成績をおさめれば、パリ2024パラリンピックの出場枠が所属する国に与えられる。
視覚障害T11の男子5000mは、前回大会金メダルの唐澤剣也(SUBARU)が15分3秒25で3位に入り、日本勢のメダル獲得第1号となった。レースは中盤まで混戦模様となるなか、唐澤は2~3番手をキープ。和田伸也(長瀬産業)がその後ろにつける展開となった。両選手が前へ出る機会をうかがうなか、後方を走っていた東京パラ金メダリストのエリツィン・ジャッキス(ブラジル)がスパートをかけ、ラスト1周でトップに立つと、唐澤が持つ世界記録を塗り替える14分53秒97の世界新記録で優勝した。和田は15分12秒00で5位だった。
唐澤は「金メダルを目標にしていたので悔しい。昨年のパリ大会で優勝して油断があったかもしれない。しっかりと気を引き締めて、パラリンピックで金メダルを目指したい」と話した。
知的障害T20の女子走幅跳は、前回4位の酒井園実(ISFnet)が5m39の6位。上肢障害の男子100mはT45/T46/T47はコンバインドで実施され、石田駆(T47/トヨタ自動)、三本木優也(T45/NTT東日本)はともに予選突破はならなかった。
パラ陸上の世界選手権が開かれるのは東アジアで初。104カ国・地域から選手1,073人が参加予定で、日本選手団は過去最高の66人がエントリーしている。大会は25日まで行われる。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)