陸上 — 2024/5/23 木曜日 at 22:43:39

【世界パラ陸上】松本は写真判定の僅差で4位、福永・兎澤は銀メダルを獲得

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T36の男子100m決勝で、力走する松本武尊(中央)=神戸総合運動公園ユニバー記念競技場(撮影/植原義晴)

パリ2024パラリンピックの代表選考を兼ねた「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」が23日、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で行われた。

脳性麻痺T36の男子100m決勝は、松本武尊(鎮誠会)が登場。前半は7番手だったが、中盤から脅威の追い上げをみせ、松本を含めて2、3、4位が横一線のままフィニッシュ。3選手は12秒35の同タイムとなったが、写真判定の結果、松本は2位の中国人選手と0秒004差、3位のアルジェリア人選手と0秒003差で、惜しくも4位となった。

視覚障害T13の男子400m決勝は、ATHMANI Skander Djamil(アルジェリア)が自ら持つ世界記録を塗り替える46秒44で優勝。前回大会王者の福永凌太(日体大)は、47秒86で2位となり、連覇はならなかった。

視覚障害F12-13のやり投げは、若生裕太(電通デジタル)が5投目で56m84をマークし、8位だった。政成晴輝(コカ・コーラボトラーズジャパン)は記録を伸ばせず、4投目に進めなかった。

18日に行われた車いすT54の男子5000mの再レースも行われた。18日のレースでは銀メダルを獲得していた樋口政幸(プーマジャパン)。この日は後方で様子をうかがっていたが、中盤に中国人選手がしかけて先頭に立つと、ペースが一変。樋口は粘りを見せるが最後は力尽き、最下位の6位でフィニッシュした。競技歴20年の節目の年となり、パリに出場してもしなくても、今年限りで第一線を退く意向を示している樋口。「自国開催の大会で、たくさんの応援の声をいただくなかで戦えて光栄だった」と話した。吉田竜太(SUS)は4位だった。

力強いジャンプで銅メダルを獲得した前川

下肢障害の女子走幅跳はT42、T61、T63のコンバインドで行われ、兎澤朋美(T63/富士通)が銀メダル、前川楓(T63/新日本住設)が銅メダルを獲得した。前川は1回目にシーズンベストとなる4m41をマーク。3回目の跳躍で自己ベストの4m66を跳び、全体の2位に浮上した。5回目に兎澤が前川と同じ4m66を跳んで並ばれ、2番目の記録が上回った兎澤に結果的に敗れたが、前川の表情は明るく、「1本目から調子が良かった。競技人生で一番よいジャンプができた。一番楽しくて、うれしくて、悔しいです!」と語った。

両脚義足の湯口英里菜(T61/JAL)は全体の6位だったが4m05を跳び、T61クラスのアジア記録を更新した。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)