車椅子バスケットボール — 2017/2/14 火曜日 at 22:36:23

【大阪カップ】復活目指す日本が強豪に競り勝ち3位に!

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強化途中の日本。キャプテンの藤井郁美が攻守でチームを引っ張った=大阪市中央体育館
強化途中の日本。キャプテンの藤井郁美が攻守でチームを引っ張った=大阪市中央体育館

「2017国際親善女子車椅子バスケットボール大阪大会(大阪カップ)」が2月9日〜11日まで大阪市中央体育館で開催された。今年は、日本に加え、リオパラリンピック銅メダルのオランダ、同4位のイギリス、そしてオーストラリアと世界トップレベルのチームが参加した。

毎年熱戦が繰り広げられる同大会。今年は日本代表が大いに会場を盛り上げた。

まず初戦でオランダと対戦した日本。試合開始直後こそ連続得点を許したが、じわじわと追い上げ、3点リードで前半を折り返す。後半は互いに得点を重ねる接戦となり、試合は59対59で延長戦に突入した。キャプテンの藤井郁美(4.0)が連続得点を挙げると、ローポインターの柳本あまね(2.5)と萩野真世(1.5)も確実にゴールを決める。その後、体格に勝るオランダにゴール下を支配されるが、残り8秒でボールをキープした日本は北田千尋(4.5)が意地のゴールを決め逆転に成功。1点差を最後まで守り切り、69対68で勝利した。まさに勝利への執念を見せた日本。海外勢との試合では実に2015年7月(オランダ遠征、イギリスに勝利)以来の貴重な白星となった。

ゴール下で激しいリバウンド争いを繰り広げる柳本あまね(中央)
ゴール下で激しいリバウンド争いを繰り広げる柳本あまね(中央)

しかし、大会2日目のイギリス戦では、第1クォーターのリードを活かせず逆転負けを喫してしまう。とくに第2クォーターはボールマンへのチェックが甘くなり連続失点。またオフェンス面でもわずか2ゴールに抑えられるなど、前半から課題の残る展開となった。同日夜に行われたオーストラリア戦も攻撃の形を作り切れず、57対70で敗れた。

この結果、三位決定戦にまわり、ふたたびイギリスと対戦した日本。前日の反省を活かし、序盤からディフェンスを強化した日本は、オフェンスにも落ち着きが戻り、積極的にシュートを放っていく。後半に入り、イギリスに連続ゴールを許して1点差まで追い上げられる場面もあったが、焦らずに守備をかため、ふたたび相手を突き放して55対44で勝利した。

藤井は大会を振り返り、「初戦ですごくいい試合をしただけに、中日の二試合は本当に悔しく、もったいないことをした。全員で修正できたところが、一応は収穫です。そのままずるずる負けて終わることなかったので良かったと思います」。

リオパラリンピック出場を逃した女子は、どこの国よりも早く新チームとして始動した。強化途中の実力を図るという意味では、絶好の機会になった今大会。橘香織監督は、「大きい相手に対して、自分たちが何をやれば勝てて、何をさぼれば負けるのかがはっきりしたと思う。オフェンスもディフェンスも手を付けたばかりでこれだけの戦いができたのは、いい一歩目になったと思う。もっと強くなりたいと思ってくれると思うので、非常にいい2017年のスタートが切れたと思います」と語った。

(取材・文/荒木美晴、撮影/中元勇人)