千葉ポートアリーナで開催されている車椅子バスケットボールの「三菱電機2015IWBFアジアオセアニアチャンピオンシップ千葉」は11日、大会二日目を迎えた。男子予選で韓国と対戦した日本は55対48で勝利した。
第3クォーターまでは韓国がリードし、緊張感が高まるなか迎えた最終クォーター。その10分間の日本の集中力と多彩な展開は実に圧巻だった。2点ビハインドの日本は、藤本怜央(#4)がフリースローを2本決めて40対40の同点に追いつくと、すかさず相手にプレッシャーをかけて次の攻撃の形を作り、再び藤本のシュートで逆転に成功。続いて香西宏昭(#9)も厳しいマークをものともせず3ポイントシュートを鮮やかに決め、流れを完全に引き寄せた。
韓国も必死のディフェンスをしかけるが、後半の勝負にかけていた日本の勢いを止めることはできず。日本はゴール下を固める千脇貢(#13)の追加点、さらにチーム最年少の鳥海連志(#10)のレイアップシュートなどでライバルを突き放した。タイムアウト中は観客席から大きな声援が飛び、「本当に力になった」と豊島英(#5)。自身も得点を決めて勝利に大きく貢献した。
来年のリオパラリンピックの地区予選を兼ねている今大会、男子は「3枠」を12カ国が争っている。勢力図としてはロンドンパラリンピック銀メダルのオーストラリアが頭ひとつ抜けており、実質残りの2枚の切符を韓国、イラン、日本で争うとみられている。及川ジャパンにとって、予選前半の山場であった韓国戦で勝利したことは非常に大きな意味を持つ。予選プールAは日本の1位通過が濃厚になり、またプールBのオーストラリアも1位通過が予想され、リオ行きの切符がかかる準決勝での対決は回避できる可能性が高いからだ。
及川晋平ヘッドコーチは試合後、「内容には満足していない」としながらも、「韓国が強い形で入ってきたなかで選手がよく堪えてくれた」と話し、激闘を最後まで戦い抜いた選手をねぎらった。
また、女子予選で中国と対戦した日本は、37対48で敗れた。前半は互いに1点を争う接戦となるが、第3クォーターに入るとシュートが入らず、中国にリズムを掴まれてしまう。5点差で迎えた最終クォーターは、今大会から代表に復帰した藤井郁美(#12)やエース網本麻里(#15)らの得点で1点差まで迫るが、惜しくも逆転はならなかった。女子は13日から予選二順目に入り、日本はオーストラリアと対戦する。
(取材・文・撮影/荒木美晴)