ボッチャ — 2022/1/10 月曜日 at 15:24:36

有田が初優勝! 廣瀬は杉村を破って連覇達成

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BC3クラスを初めて制し、笑顔を見せる有田。試合後は「本当にうれしい」と語り、喜びをかみしめた=スカイホール豊田

「第23回日本ボッチャ選手権大会」の各クラス(男女混合個人)の決勝が1月9日、愛知県豊田市のスカイホール豊田で行われた。

脳性麻痺BC3クラスは、有田正行(電通デジタル)が東京2020パラリンピックのペア戦で銀メダルを獲得した河本圭亮(東郷町施設サービス)を5-2で破って初優勝を果たした。第1エンドで相手のほぼ正面にジャックボールを配置。狙いを定めてボールを寄せ、最後の6投目で硬いハードボールで押し込み、1点を先制した。この日は投球の精度が高く、第3エンドまでに5点を奪取して大量リード。最終エンドで河本に2点を許すが、勝ち切った。

有田はアシスタントを務める妻の千穂さんと二人三脚で競技に臨む

有田は2017年に電動車いすサッカーからボッチャに競技転向。同年の日本選手権で3位に入り、翌年も3位、前回大会は決勝で河本に敗れて2位だった。その後はコロナ禍で思うように練習ができない時期が続いたが、悔しさを糧に、競技アシスタントで妻の千穂さんとともに乗り越え、日本一の座を掴んだ。

大会を振り返り、有田は「これまでは対戦相手にあわせて戦術を作っていたけれど、今は自分のやりたいことがどうすればできるかを考えている。今大会は落ち着いて入れたし、最後まで楽しんで臨めた」と話し、「いやぁ、やっと勝てました。本当にうれしいです」と笑顔を見せた。

脳性麻痺BC2クラスは、廣瀬隆喜(西尾レントオール)が東京パラリンピック金メダルの杉村英孝(伊豆介護センター)に5-1で勝利し、2連覇を達成。また脳性麻痺BC1クラスは、仁田原裕貴(山口県ボッチャ協会)が中村拓海(大阪発達総合療育センター)を3-2で下し、初めて制した。

運動機能障害BC4クラスは、内田峻介(大体大)がパワーを活かしたプレーで江崎駿(Boccia Team Brex)を6-0で破り、初制覇。目に涙を溜め、勝利の喜びに浸った。東京パラリンピックの出場を逃し、期間中は動画サイトやテレビで観戦した。日本代表がメダルを獲得し、「すごく刺激になったし、自分もこの舞台に立ちたいと改めて思った」と振り返る。その目標への一歩となる日本チャンピオンとなり、「まだ課題がある」と気を引き締める。

内田が江崎を破り、BC4クラス初優勝を飾った

昨年4月から大阪体育大のアダプテッド・スポーツ部で健常者の学生とともに練習を重ねる。心身向上のサポートも受け、技術練習に力を注ぐ。「コーチや仲間たちに感謝したい。パリパラリンピックとその次を視野に、より一層練習に力を入れていきたい」と力強く話した。

(取材・文・撮影/荒木美晴)