パラバドミントン — 2022/11/2 水曜日 at 23:21:58

【世界バド2022】畠山の願いと挑戦「結果を残して低身長クラスの認知度を上げたい」

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大勢の観客が見守るなか、試合に臨む男子SH6の畠山(1日撮影)=国立代々木競技場第一体育館(撮影/植原義晴)

「ヒューリック・ダイハツ BWF パラバドミントン世界選手権2022」は2日、各クラスの予選リーグが行われた。低身長クラスのSH6に日本勢で唯一出場している男子シングルスの畠山洋平(Tポイント・ジャパン)はこの日、対戦相手の棄権による不戦勝で予選リーグ3勝とし、決勝トーナメント進出を決めた。

世界ランキング8位につける畠山は、初日はフランスとカナダの選手と対戦。初戦の立ち上がりこそ「緊張で足が動かなかった」ものの中盤以降は切り替え、それぞれストレートで勝利した。今大会に向け、一試合を全力で戦いきる体力をつけるため、合宿ではダッシュ系種目を中心に取り組んできたという畠山。走り込みによって下半身が強化され、試合終盤になってもフットワークが乱れることがなかった。

加えて、畠山が「力になった」と話すのが、観客の応援だ。今大会は有観客で実施されており、地域の学校の児童・生徒らも会場に駆けつけている。「拍手だけでなく、自分の名前を呼ぶ声も聞こえた。後押ししてもらった」と、振り返る。

国内では積極的にパラバドミントンの普及活動が行われ、低身長クラスの競技人口増加を願う畠山も学校訪問やイベントなどにしばしば参加している。そうした活動を通して競技のことを知った低身長の児童のひとりが最近になってパラバドミントンを始めたといい、畠山は「本当に嬉しい。選手になってくれたら嬉しいけれど、今は楽しくバドミントンを続けてほしい」と笑顔で語る。

決勝トーナメントは、予選リーグを勝ち上がった16人で争う。より高いレベルでの戦いが予想されるが、「メダルを獲りに行く」と畠山。東京パラリンピックでは、日本勢が唯一出場を逃したのがこのSH6クラス。「自国開催の今大会で結果を残して、低身長クラスの認知度向上につなげたい」。覚悟と責任を胸に、畠山は次のステージに臨む。

亀山、豊田も連勝で存在感

予選リーグを2連勝とし、決勝トーナメント進出を決めた亀山(1日撮影)

女子SU5の東京パラ4位の亀山楓(高速)は予選リーグ2連勝。世界選手権は5度目の出場となる豊田まみ子(ヨネックス)も好調を維持して2勝とし、ともに決勝トーナメント進出を決めている。女子SL4の世界ランキング1位の藤野遼(GA technologies)はこの日が初戦で、イングランド選手にストレート勝ち。

東京パラで単複ともに金メダルを獲得した女子WH1の里見紗李奈(NTT都市開発)も予選リーグ初戦で完勝。女子WH2の山崎悠麻(同)と組むダブルスも勝利した。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)