ロンドン2012, 水泳 — 2012/9/1 土曜日 at 6:07:00

“水の女王” ナタリー・デュトワが挑む最後のパラリンピック

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北京オリンピックにも出場したナタリー・デュトワ(撮影/吉村もと)

これまでに競泳で10個の金メダルを獲得しているナタリー・デュトワ(南アフリカ)は、1984年生まれの28歳。14歳で水泳を始めた。

だが突然の悲劇が彼女を襲った。 2001年2月、17歳の時、朝の練習を終えてプールから高校への登校中にスクーターの事故により左足を切断。 大手術を経たが、水泳への意欲は失わず、わずか3ヶ月後の同年5月には歩くよりも先に水泳練習を再開した。

復帰後初めて臨んだレースは、02年にイギリスで行われた健常者も泳ぐ大会。 そこで障害を持つ選手として初めて800m自由形の決勝に残り、スポーツ史に名を残した。その後、障害をもつ人を対象とした大会では、50mと100mの自由形で世界新記録をマークして優勝した。 以来、圧倒的な強さをみせ、04年アテネ、08年北京のパラリンピックでそれぞれ5つの金メダルを獲得。 また、北京オリンピックの10kmオープンウォーターにも出場し16位でゴールした。

ロンドンパラリンピックの選手プロフィールには、ニックネームは「ヌードル」と書いてある。 理由を尋ねたところ、 「コーチだけがまだほんの子供だった頃から私のことをそう呼ぶの。理由はわからないわ。馬鹿げてるでしょ」 と笑いながら答えた。

初日のレース後、練習方法について尋ねると、「練習は週に1回だけ。深く眠ることが一番大事。特に海外遠征の時には」と、さもなんでもないことのように話した。このマイペースさが強さの一番の秘訣かもしれない。

ロンドンは自身3度目だが、「最後のパラリンピック」にするつもりだ。開会式のわずか2日前に発表した。 今回は7種目に出場し、その全てで金を狙う。 本人は200mや400mなど距離がある種目のほうが得意で好きだと話しているが、すでに競技初日の100mバタフライで金メダルを獲得済み。大会3日目の31日、100m背泳ぎでは惜しくも4位でメダルを逃したが、あとの5つを手にできるかどうか楽しみである。

(取材・文/加々美美彩)