東京2020パラリンピック, 車いすテニス — 2021/9/3 金曜日 at 0:51:05

【東京2020】国枝と上地が圧巻パフォーマンスで決勝進出!

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圧巻パフォーマンスでリオ金のリードをストレートで破り、決勝進出を決めた国枝慎吾=有明テニスの森(撮影/植原義晴)

〈東京パラリンピック〉車いすテニス/男女シングルス準決勝(9月2日、有明テニスの森)

男子の国枝慎吾(ユニクロ)はシングルス準決勝で、リオ金メダルのゴードン・リード(イギリス)と対戦。6-3、6-2のストレートで勝利した。第1セットの序盤こそブレークを許して先行されるが、第6ゲームで追いつくと豊富な運動量と精度の高いショットで突き放した。第2セットもアグレッシブなプレーで先手を取り、相手から徐々に攻撃のチャンスを奪っていった。

勝利を決めた瞬間、雄叫びを上げ、大きなガッツポーズを作った国枝。盤石のプレーで2大会ぶりの金メダルを取り戻しに行く。なお、4日の決勝の相手は、準決勝で第2シードのアルフィー・ヒューイット(イギリス)を破った第8シードのトム・エフべリンク(オランダ)と対戦する。これまでの戦績は、国枝の9勝0敗。

過去2大会のパラリンピックで上地の前に立ちはだかったファンクートを破り、笑顔を見せる上地

女子は上地結衣(三井住友銀行)が、アニク・ファンクート(オランダ)を6-2、6-2のストレートで下し、決勝進出を決めた。上地はロンドンでは準々決勝、リオでは準決勝でファンクートに敗れて表彰台を逃しており、地元の東京大会でリベンジを果たした格好だ。

「3度目の正直と言いますか、やっと勝つことができて純粋に嬉しいですね」と笑顔を見せる。リオからの5年、上地はバックハンドトップスピンに磨きをかけ、スライス中心だった女子のプレーに変革をもたらした。リオ前から取り組んでいたが、さらにスライスを混ぜるなど様々な工夫を凝らしアップデートする。その球筋は力強く、追い込まれたときに自分を救ってくれるショットでもある。この日は「スライスでは世界トップ」というファンクートにも精度の高いトップスピンを繰り出し、勝機を見出した。

車いすテニスに出会った10歳のころから目指してきたパラリンピックの金メダルに王手をかける。3日の決勝の相手は、第1シードのディーダ・デ グロート(オランダ)。上地はリオの3位決定戦でデ グロートを破り、銅メダルを手にしているが、彼女はその後に急成長を遂げ、強豪オランダ勢をけん引する絶対的エースとして、現在は世界ランク1位に君臨している。「パワーもあって、頭もいい。迷わずに打たれるとかなり手ごわいので、次にどんなプレーをするのかってことを考えさせたい。すぐのポイントにはつながらなくても、その先のセットやゲームに生きてくるような試合で追い詰めていきたい」と上地は意気込みを語り、頂点を見据えた。