東京2020パラリンピック, 車いすテニス — 2021/8/31 火曜日 at 22:22:44

【東京2020】初出場の大谷はベスト8、ダブルスで表彰台を狙う

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女子シングルス準々決勝で世界ランク1位のデ グロートと対戦した大谷桃子(左)=有明テニスの森(撮影/佐山篤)

〈東京パラリンピック〉車いすテニス/女子シングルス準々決勝 他(8月31日、有明テニスの森)

初出場の大谷桃子(かんぽ生命保険)は、女子シングルス準々決勝で世界1位のディーダ・デ グロート(オランダ)と対戦。3-6、2-6のストレートで敗れ、目標の表彰台には届かなかった。

これまでの通算成績は1勝4敗。現在世界ランク5位につける大谷は、昨年から上位8人が戦うグランドスラムに出場するようになり、全仏オープンでデ グロートを破っている。しかし、この日は相手の長い腕から繰り出す強打や、回転をかけて跳ねるボールなど、多彩なショットに翻弄され、いつもの動きを封じられた。「いいプレーがまったくできなかった」と大谷は悔やむ。

本格的に車いすテニスを始めて5年。この経験を足がかりにさらなる飛躍に期待したい

小学3年でテニスを始め、インターハイにも出場した。高校卒業後、病気のため車いす生活に。前回のリオ大会は本格的に車いすテニスを始める前で、試合はユーチューブで観ていた。それから5年、大谷はJAPANのユニフォーム着て、パラリンピックの日本代表としてセンターコートで戦った。試合を振り返ると反省と課題が口をつくが、強化してきたサーブの打ち分けやラリーの勝負強さなど、存在感を示すシーンも数多くあり、次につながる成長を垣間見せた。

9月1日には、上地結衣(三井住友銀行)とペアを組み、女子ダブルス準決勝に出場する。大谷は「試合まで時間は短いけれど、しっかりと切り替えたい」と話し、前を向いた。

その上地はシングルスで4強に進出。菅野浩二(リクルート)はサム・シュローダー(オランダ)に敗れて、3位決定戦へ。1日には諸石光照(EY JAPAN)と組み、ダブルスの3位決定戦に出場する。また、男子ダブルスの国枝慎吾(ユニクロ)・眞田卓(凸版印刷)組はリオ銀のイギリスペアに黒星を喫し、2日の3位決定戦に進む。

(取材・文/荒木美晴、撮影/佐山篤)