車いすテニス — 2021/9/3 金曜日 at 17:39:58

【東京2020】菅野は4位も新たな歴史を刻む、日本クアード界の底上げ願い「自分が若手選手の壁に」

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3位決定戦では敗れたが、シングルスで初の4強入りを果たし、歴史を刻んだ菅野=有明テニスの森(撮影/植原義晴)

〈東京パラリンピック〉車いすテニス/クアードシングルス3位決定戦(9月3日、有明テニスの森)

クアードシングルス3位決定戦で菅野浩二(リクルート)はニールス・フィンク(オランダ)に1-6、4-6で敗れ、ダブルスに続くメダル獲得はならなかった。

フィンクは元ジュニア世界ランク1位の18歳。ジュニアは障害によるカテゴリー分けがなく、クアードに転向後、今年7月には自己最高の4位まで世界ランクをあげている成長株だ(現在は5位)。序盤から相手の120キロを超える男子並みのサーブや、速いチェアワークから繰り出される強烈なショットに押された菅野。「強気でいこう」と、第2セットは0-3からラリーに持ち込み4-4に追いつくが、最後は勢いにのるフィンクに逃げ切られた。

菅野は今大会、諸石光照(EY JAPAN)と組むダブルスで銅メダルを獲得した。日本クアード界の悲願を達成した意味は非常に大きい。ただ、諸石は50代、菅野は40代で「日本も若い選手の育成が必要」と語る。「テニスができる身体である限り、続けたい。そして若い子の壁になろうと思っている」。菅野はクアード界全体の底上げを願い、これからも戦い続ける。

なお、決勝は

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)