杭州2022アジアパラ競技大会, 車いすテニス — 2023/10/26 木曜日 at 23:20:52

【杭州2022】車いすテニス・上地がパリ出場権を獲得!

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1回戦から決勝まですべての試合でストレート勝ちをおさめ、パリパラの出場権を獲得した上地(撮影/植原義晴)

杭州2022アジアパラ競技大会は26日、車いすテニスの女子シングルス決勝が行われ、第1シードで世界ランキング2位の上地結衣(三井住友銀行)が、第2シードで同5位の朱珍珍(中国)を6-2、6-0のストレートで破り、2大会連続で優勝を果たした。上地は優勝者に与えられるパリ2024パラリンピックの出場権を獲得した。

互いにアジアをけん引するトッププレーヤーであり、グランドスラムでもしばしば対戦する上地と朱。ここまで上地の18連勝中だが、朱は地元の観客の大声援を受けて、第1セットは上地のすべてのサービスゲームでジュースに持ち込むなど、粘りのプレーを見せる。

上地は序盤から主導権を握った

対して上地も要所で深いショットを繰り出し、相手のミスを誘うなどして先取した。第2セットも上地のアドサイドからワイドに切れるサーブを決めて主導権を握ると、最後まで流れをキープ。最後は相手のセカンドサーブを叩き、アウトを誘って勝利した。

今大会は新柄コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期して実施されている。例年はパラリンピックの2年前にパラリンピックの出場切符を手にすることで、その後の怪我や体調に合わせてエントリーする大会数を減らしたり、ランキングを落としたりしても影響がないといったメリットも大きかったが、本大会まで1年を切った今大会は「すごく有効というわけではない」と上地。それでも「明日(27日)の男子シングルス決勝は日本人対決(小田凱人-眞田卓)なので、男女そろって金メダルとパラリンピック出場権を獲ることはいいこと。その流れを先に自分が作れてよかった」と、笑顔を見せた。

男子シングルス準決勝は、小田凱人(東海理化)が三木拓也(トヨタ自動車)に、また眞田卓(TOPPAN)が中国の選手にそれぞれストレートで勝利し、決勝に駒を進めた。

日本人対決を制し、アジアパラ初優勝を喜ぶ菅野

また、クアード決勝も日本人対決となり、菅野浩二(リクルートオフィスサポート)が石戸大輔(三菱オートリース)を6-2、6-3で下した。菅野は前回のジャカルタ大会は銀メダル。初めてアジアタイトルを手にし、「やっと取れた」と喜びをかみしめた。

石戸は2セットあわせて5度のブレークに成功するも、サービスゲームをキープできず苦しい展開となった。ただ、初出場のアジアパラでセンターコートで決勝を戦ったことは貴重な経験になる。今年、世界ランキングはキャリアハイとなる15位とマーク(現在は16位)しており、飛躍の足がかりとしたいところだ。石戸は「こういう経験をまたしたいし、これから自分よりもランキング上位の選手に勝っていきたい」と、言葉に力を込めた。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)