夏季競技, 車いすテニス — 2016/5/28 土曜日 at 2:26:31

【ワールドチームカップ】女子、クアードがそれぞれ激闘を制して3位!

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日本女子の大黒柱としてチームを牽引した上地結衣

日本女子の大黒柱としてチームを牽引した上地結衣

車いすテニス世界国別選手権は27日、女子とクアードの3位決定戦が行われた。ロシアと対戦した日本女子は2-1で勝利。日本クアードも2-1でイスラエルを下し、ともに3位で大会を終えた。女子の決勝は、オランダが中国を2-0で破って圧巻の「17連覇」を達成。クアード決勝は、オーストラリアがイギリスを下して初優勝を飾った。

日本女子は、準決勝で中国に敗れた流れを変えようと、第1試合のシングルスに田中愛美(ブリヂストンスポーツアリーナ)を起用した。

田中愛美は初めてのワールドチームカップで得た経験を次に活かす

田中愛美は初めてのワールドチームカップで得た経験を次に活かす

19歳の田中は昨年の日本マスターズに初出場。現在は国内の大会を中心に出場し、今年はオーストラリアやニュージーランドなど海外での試合にもチャレンジしている。今大会の直前にはジャパンオープンに出場し、1回戦でチリの選手にフルセットで勝利。2回戦で世界ランキング1位のイエスカ・グリフォン(オランダ)と対戦して1ゲームも奪えなかったが、今は“世界のテニス”を肌で感じることが重要な時期で、ワールドチームカップでも外国選手や先輩のプレーを目に焼き付けた。その中で、「まだ自分のプレースタイルが確立できていないことがわかったことが収穫」と話し、目標である2020年東京パラリンピック出場に向けてすべての経験を成長の糧にすることを誓った。

ダブルスで上地と息の合ったプレーを見せた二條

3位決定戦の最終マッチ、ダブルスで上地と息の合ったプレーを見せた二條

上地結衣(エイベックス・グループ・ホールディングス)は第2試合のシングルスで完勝すると、二條実穂(シグマクシス)と組んだダブルスでも勝利。銅メダル獲得の立役者となった。上地は「“要注意”の中国とタイと対戦できたのはよかった。ロシアやイギリスの若い選手がいるなかで、身体の小さな日本人の戦い方を学べたと思う。この経験を次につなげたい」と話し、来月2日からの全仏オープンを含む1か月半の海外遠征、そして9月のリオパラリンピックに照準を定めた。

大応援団に感謝、クアードを世に広める「第一歩」

元世界NO.1を相手に試合には敗れたが、粘りのプレーで存在感を示した古賀

元世界NO.1を相手に試合には敗れたが、粘りのプレーで存在感を示した古賀

日本クアードは、今大会初試合となる古賀貴裕(ヤフー)が第1試合のシングルスに出場。ロンドンパラリンピック金メダリストのノーム・ガーシュニーに、ストレートで敗れた。第2試合のシングルスでは諸石光照(フリー)が第1セットを落とすも、粘りのプレーで逆転勝ちをおさめた。諸石は川野将太(シーズアスリート)と組んだダブルスでも逆転勝利し、銅メダル獲得に大きく貢献した。

午前中の雨の影響で3時間半遅れてスタートした3位決定戦。次第に日は暮れ、コートに照明が灯った。他のコートの試合が次々に終了していくなか、多くの観客が残り、また通行人も足を止めて日本戦の行方を見守った。

銅メダル獲得を決め、喜ぶ日本クアードチーム

銅メダル獲得を決め、喜ぶ日本クアードチーム

最後のダブルスは、日本が1ポイントを取るごとに大きな声援と拍手が飛んだ。今大会、シングルス・ダブルス合わせて9試合を戦い抜いた川野は「体力的にも気持ち的にも限界だったので、みなさんの応援が支えになった。いろいろな人にクアードクラスを知ってもらいたかったので、その第一歩は踏み出せた」。諸石もまた、「クアードは注目されにくい。でも今日はコートエンド側にもたくさんのお客さんがいて、試合を盛り上げてくれて嬉しかった」と話し、感謝の気持ちを述べた。

日本男子は最終日の28日に、世界ランク1位のステファン・ウデを擁する優勝候補のフランスとの決勝戦に臨む。「2020年東京パラリンピックの会場にもなる有明を満員の観客で埋めたい」と、エースの国枝慎吾(ユニクロ)。2003年、2007年に続く3度目の優勝を目指し、チーム一丸となってセンターコートに降り立つ。

(取材・文/荒木美晴、撮影/吉村もと)