車いすバスケットボール — 2019/9/1 日曜日 at 23:42:06

4カ国対抗戦、日本は韓国に勝利し3位

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ゴール下で韓国チームのシュートをブロックする藤本(左)=武蔵野の森総合スポーツプラザ(撮影/植原義晴)

東京2020パラリンピックに向け、車いすバスケットボール男子代表チームの強化等を目的とした国際大会「三菱電機WORLD CHALLENGE CUP 2019」が行われた。昨年の世界選手権銅メダルの強豪オーストラリア、同4位のイラン、同9位の日本、同14位の韓国の4カ国が参加。1日は順位決定戦が行われ、3位決定戦で日本が50-36で韓国を下した。

日本代表は初戦で韓国に勝利、第2戦のオーストラリア戦で黒星を喫した。第3戦のイランには勝ち、オーストラリアとイランに勝敗で並んだものの、得失点差で決勝には進めず、2連覇を逃した。3位決定戦では、登録選手12人全員が出場した日本。第3クォーターまで韓国と2点差の接戦となるが、第4クォーターに藤本怜央(4.5)の3連続得点などで突き放した。

強豪・オーストラリアを決勝で破ったイラン。モルテザ・エブラヒミ(中央)のキレのある動きが光った

藤本は大会を振り返り、「世界3位のオーストラリアにイランが勝ち、そのイランに日本が勝った。ここを(来年の東京パラの)メダルラウンドに入っていく最低レベルだと捉え、確実にパラでメダルを手にできるよう、この1年で実力を積み上げてきたい」と話し、さらなるレベルアップを誓っていた。

決勝戦はイランが84-58でオーストラリアを下し、優勝を果たした。イランは序盤から勢いをキープし、第3クォーターは堅い守りでオーストラリアの得点を1ケタに抑える。攻撃面ではハイポインターのモルテザ・エブラヒミ(4.5)が高さを活かしてゴール下を制し、チーム最多の22得点を挙げる活躍を見せた。

女子代表はオーストラリア代表と親善試合

また、女子代表の国際強化試合として日本対オーストラリアのエキシビションマッチも同時開催。1日の試合は大接戦となり、満員の会場がおおいに盛り上がった。

オーストラリアにリードを許して前半を折り返した日本は、ローポインターの萩野真世(1.5)が攻守で活躍するなどして第3クォーターで逆転。第4クォーター開始早々は突き放されるが、エース・網本麻里(4.5)らのシュートで猛追する。試合時間残り20秒を切ったところでオーストラリアのファウルにより、キャプテンの藤井郁美(4.0)がフリースロー2本を決めてさらに逆転。オーストラリアも意地を見せて1本シュートを返すが、残り4秒、日本ボールからリスタートを切ったところで萩野のパスを受けた藤井が見事にシュートを決め、59-58で日本が勝利した。

女子日本代表とオーストラリア代表との親善試合で攻守にわたって活躍し、勝利に貢献した萩野

試合後、藤井は「いままで負けて終わることが多かったので、これで一歩上がれたかなとホッとする思いがあるし、自信にもつながった」とコメント。また、試合を通して藤井と息の合ったコンビネーションプレーを随所に見せていた萩野も、「最後まであきらめず、接戦を勝ち切れて良かった」と振り返る。一方で、「トランジションでフィニッシュを決めきる力がまだ足りない。アーリーオフェンスでの得点が増えれば日本が勝てるようになると思うので、そこを強化していきたい」と課題を口にしていた。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)