アルペンスキー — 2017/3/7 火曜日 at 21:53:40

【ワールドカップ白馬大会】スーパー大回転で森井と村岡が今季初V!

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スーパー大回転の男子座位2本目で優勝した森井大輝=長野県白馬村の八方尾根スキー場(撮影/植原義晴)

スーパー大回転の男子座位2本目で優勝した森井大輝=長野県白馬村の八方尾根スキー場(撮影/植原義晴)

「2017IPCアルペンスキーワールドカップ白馬」の競技二日目を迎えた6日、スーパー大回転が行われた。女子座位の村岡桃佳(早稲田大)、男子座位の森井大輝(トヨタ自動車)がそれぞれ今季W杯初勝利を挙げた。

通常は1日に1レースのみ行われる高速系種目のスーパー大回転。7日も同種目を開催予定だったが、天候の悪化が予想されたため、前倒しで6日に2レースを実施した。体力的にも精神的にもコントロールが難しくなるなか、日本勢が存在感を見せた。

表彰式で笑顔を見せる森井(中央)。オランダの新鋭・カンプシュラウラが2位、鈴木が3位に(撮影/荒木美晴)

表彰式で笑顔を見せる森井(中央)。オランダの新鋭・カンプシュラウラが2位、鈴木が3位に(撮影/荒木美晴)

1本目では5位に終わった森井。「ギアをもう一段上げる」と臨んだ2レース目で、完走した選手中、ひとりだけ1分11秒台をたたき出した。難コースに5人の選手が途中棄権しており「手放しでは喜べない」としながらも、「どの程度リスクを負って巧さと速さの共存をめざせるのか今回試せた」と話し、9日から始まるW杯韓国大会に向け、手ごたえを感じていた。

森井は昨シーズン、自身2度目となるW杯総合優勝を果たしている。高いチェアスキー技術を誇り、5種目すべてに安定した力を発揮する森井は、各国のライバルたちの目標だ。今季は海外合宿中に雪不足や暴風に見舞われ十分なトレーニングができていないといい、W杯も5戦目にして初優勝となった。だが「これから勝ち癖をつけていければ」と、本人に焦りはない。ピョンチャンパラリンピックに出場すれば、5大会目となる。ベテランらしい滑りでこれからも世界を牽引していく。

また、男子座位では1本目に狩野亮(マルハン)が、2本目に鈴木猛史(KYB)がそれぞれ3位に入った。

以前使用していたトリノモデル(鈴木猛史モデル)のフレームでレースに挑み優勝した村岡(撮影/荒木美晴)

以前使用していたトリノモデル(鈴木猛史モデル)のフレームでレースに挑み優勝した村岡(撮影/荒木美晴)

一方、初日の大回転での3位に続き、スーパー大回転1本目で2位、さらに2本目で優勝と好調をキープした村岡は「嬉しいです」と、笑顔を見せた。これまでも優勝の経験はあるが、その時は「誰かが欠場していた」。だが、今回はメンバーが勢ぞろい。世界ランキング1位のLOESCH Claudia(オーストリア)や、1本目を制したSCHAFFLHUBER Anna(ドイツ)ら強敵を下した感慨はひとしおだ。

この種目では、事前の練習で好感触だったことから、大回転で使用していた最新モデルのフレームを以前使用していたトリノモデルに戻して臨んだ。結果を出し、「自信につながった」と話した。

立位男子では、三澤拓(SMBC日興証券)が1本目で3位に。これまで世界選手権やW杯などで手にしたメダルは得意の回転で、スーパー大回転で表彰台に乗ったのは初となる。ソチパラリンピック前から重点的に取り組むフィジカルトレーニングと、海外での高速系のトレーニングの結果、「よりバランスがとれるようになってきた」。

男子立位の三澤はスーパー大回転で初の表彰台に(撮影/荒木美晴)

男子立位の三澤はスーパー大回転で初の表彰台に(撮影/荒木美晴)

世界の立位選手のスキー技術は健常者と変わらないレベルとされる。そのなかで左脚ひざ上切断の三澤は、右脚一本で低い姿勢を保ちながらコースを攻める。地元開催のW杯で、三澤はその高い技術で存在感を示した。日本では狩野らパラリンピック金メダリストがいるチェアスキーに注目が集まりがちだが、「立位で勝つことが僕のモチベーション」と話す。ピョンチャンを見据え、さらなる飛躍を誓う。

(取材・文/荒木美晴)