現地時間21日、バンクーバーパラリンピックは最終日を迎えた。午後7時から閉会式が行われ、10日間にわたる熱戦は幕を閉じた。
会場は、ウィスラー・メダルプラザ。ときおり小雨が降る寒空の下でのセレモニーとなった。各国の選手団は、旗手を先頭にウィスラーの街を歩きながらメダルプラザへと入場。日本は、アルペンスキーのスーパーGで金メダルを獲得した狩野亮選手が旗手の大役を果たした。
日本選手団は、車いすカーリングの選手やアルペンスキーで2つのメダルを獲得した森井大輝選手、冬の団体競技ではじめて銀メダルを獲得したアイススレッジホッケーの選手らが、沿道に大きく手を振りながら行進した。
式典では、車いすパフォーマーのダンスや歌手らが会場を盛り上げたあと、もっとも活躍した選手に贈られる『ファン・ヨン・デ功績賞』の表彰式が行われ、日本のアイススレッジホッケー主将としてチームを銀メダルに導いた遠藤隆行選手が選ばれた。遠藤選手は今大会、ディフェンスながら4得点と攻守で活躍。選考には競技外での活動も考慮され、腕だけで富士山登頂に成功したことなども評価された。
遠藤選手は、表彰前は「慣れてないからどう振舞ったらいいのかわからないですよ」と困惑気味だったが、舞台では会場から大きな拍手を浴び、堂々と笑顔で応えていた。このあと、IPCフラッグは次回開催地のソチ(ロシア)へと引き継がれた。
また、閉会式開始前には、クロスカントリースキーの男女1キロスプリントが行われ、男子立位で日本の新田佳浩が優勝、女子立位で太田渉子が2位に入った。これで日本が獲得したメダルは金3・銀3・銅5の計11個となり、前回トリノ大会の9個を上回った。
日本選手団は22日に、バンクーバー市内のホテルで解団式を行う予定。
(取材・文/荒木美晴、撮影/吉村もと、ナカハル)