9月7日に開幕するリオパラリンピックに出場する日本代表選手団の結団式と壮行会が2日、都内のホテルで行われた。結団式の冒頭では、相模原市の知的障害者施設で多くの入所者が殺傷された事件を受け、被害者に黙とうが捧げられた。
リオパラリンピックには選手127人(競技パートナー、役員含めて計225人)が参加し、22競技中、17競技に出場する。主将は男子車椅子バスケットボールキャプテンの藤本怜央(SUS)、旗手は車いすテニスの上地結衣(エイベックスグループホールディングス)が務める。
結団式また壮行会の後に行われた記者会見では、2020年東京パラリンピックを見据えた発言が目立った。目標とする「金メダル10個、メダルランキング10位」は、「各競技の1〜2年の現状を踏まえて算出した。リオでこれを取らないと、東京でそれ以上の成績は取れない」と大槻洋也団長。
4度目のパラリンピック出場となる主将の藤本は、「今まで以上に注目度と期待が高まっている。私たち選手は、東京オリンピック・パラリンピックの成功につながる橋渡しという大きな役割を担っている。そのバトンをつなぎ、さらに飛躍できるよう精一杯頑張りたい」と決意を述べた。また、2度目となる上地は「パラでの金メダル獲得は夢であり最大の目標。リオでぜひ達成したい。また若い選手が増えてきており、東京ではより注目されるようにやっていきたい」と力強く語った。
▼選手のコメントは以下の通り
辻 沙絵(陸上/T47、日本体育大)※片前腕切断
「(初出場で)緊張はしていないが、日本代表としての自覚を持った行動をしたい。メインの400mではメダルを、100mと200mではファイナル出場を目指したい」
山本 篤(陸上/T42、スズキ)※片大腿切断
「(結団式を終えて)やっとこの場に戻ってきたなという感じ。日本代表のユニフォームを着て気持ちが引き締まった。リオでは幅跳びで金メダルが目標。(ハインリッヒ・ポポフとダニエル・ワグナーとの三つ巴の状況で)勝負を楽しみたい。また、リレーも走れると思う。リレーは過去3つの世界大会で4位なので、メダルを獲りたい」
土田 和歌子(陸上/T54、八千代工業)※下肢機能障害(車いす)
「今まではトラックで800m、1500m、5000mを走ってからマラソンに挑んでいたが、今回は車いすマラソンのみにエントリー。念願の「マラソンで金」を達成したい。女性ランナーが少ないこともあり、練習で自分のスピード以上を出すのはなかなか難しいので、2013年の前あたりから男子選手と一緒に走って強化している。自分の可能性を信じて最高のパフォーマンスができるようしっかり準備したい」
(取材・文/荒木美晴、撮影/TEAM A)