杭州2022アジアパラ競技大会 — 2023/10/27 金曜日 at 1:34:07

【杭州2022】バド・里見、陸上・大島らが優勝

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勝利を決め、ガッツポーズを作ってよろこぶ里見(撮影/植原義晴)

杭州2022アジアパラ競技大会は26日、パラバドミントンの一部種目で決勝が行われ、女子シングルスWH1は里見紗李奈(NTT都市開発)がスジラット・ポッカム(タイ)を21-15、21-19のストレートで下し、金メダルを獲得した。初出場だった2019年の世界選手権決勝で初めてポッカムを破ってから、世界トップの階段を昇り続ける里見。だが、アジアパラで優勝するのは初だ。「欲しかったタイトル。いつもの国際大会より、みんなひとつ、ふたつギアが上がるなかで勝てたのは嬉しい」と、笑顔を見せた。

シングルスでは今年3度目の対戦で、いずれも里見が勝利している。ただ、直近の2試合はポッカムに第1セットを奪われ、そこから逆転する展開だった。「スロースターター」という里見はこの日、序盤から相手の揺さぶりに必死で食らいつくもミスが出て、またフォア奥に鋭いショットを決められるなどして、4点差をつけられてしまう。しかし、ここから粘りを見せて逆に相手を前後に動かし、8連続得点に成功。第1ゲームを取り切った。

第2ゲームは、想定どおり相手の体力が落ちたところでラリーに持ち込み、ミスを誘って要所でポイントを重ねていく。後半に逆転を許すが、すぐに追いつき、最後は3連続ポイントで突き放した。

表彰台で笑顔を見せる里見(左から2番目)

試合で負けたのは、東京パラリンピックのシングルス予選で尹夢璐(中国)に敗れたのが最後。それ以降は連勝記録を積み重ねる。BWFの記録によれば、このアジアパラの勝利を含み、今年だけでも26連勝中だ。「負けられないプレッシャーはあります。『サトミを倒せ』という雰囲気を感じるので。でも私はそう思ってもらえるほうが燃えるタイプ。泥臭いプレーが身上だし、相手にとって自分は“勝てそうで勝てない存在“でありたい」

自分のプレースタイルを貫く女王のこれからのさらなる飛躍が楽しみだ。

陸上競技では、男子100m(T64)で大島健吾(名古屋学院大)が11秒27のアジア新記録で金メダルを獲得した。井谷俊介(SMBC日興証券)は2位だった。女子100m(T63/64)は高桑早生(NTT東日本)が優勝。女子走幅跳(T20)は酒井園実(ISFnet)が制した。

自転車は、藤田征樹(藤建設)が25日のトラック個人パシュートに続き、男子ロードタイムトライアル男子(C1-3)で金メダルを獲得。水泳は男子200m個人メドレー(SM11)で富田宇宙(EY Japan)が1位、木村敬一(東京ガス)が2位とワンツーフィニッシュ。男子100mバタフライ(S14)は松田天空(NECグリーンスイミングクラブ溝の口)が、女子100m平泳ぎ(SB8)は福田果音(KSGときわ曽根)が制した。

車いすフェンシング男子フルーレ団体は、日本が銅メダルを獲得。女子車いすバスケットボール日本代表は決勝で中国に30-61で敗れた。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)