4年に一度のアジアのパラスポーツの祭典、インドネシア2018アジアパラ競技大会の開会式が6日、ジャカルタのブンカルノ競技場で行われた。過去最多の304人を派遣する日本選手団は、旗手の20歳、前川楓(陸上/チームKAITEKI)を先頭に11番目に入場。主将を務める水泳の鈴木孝幸(GOLDWIN)や車いすバスケットボールの若きエース・古澤拓也(桐蔭横浜大)らも、大歓声のなか日本とインドネシアの国旗を手に持ち、笑顔で行進した。
43の国・地域から約3000人の選手たちが参加し、13日まで8日間にわたって熱戦を繰り広げる。パラリンピック種目はもちろん、ローンボウルズやテンピンボウリングといったアジアパラ競技大会ならではの競技も実施される。日本勢は全18競技のうち、チェスを除く17競技に出場。前回の仁川大会で獲得した143個以上のメダル獲得を目指す。
なお、車いすテニスの男子・女子シングルス優勝者には、2020年東京パラリンピックの出場権が与えられる。
開会式に先立ち、各競技予選がスタート
また、6日は開会式に先立ち、2020年東京パラリンピックで初採用となるパラバドミントンの1次リーグなどが行われた。そのパラバドミントンでは、車いすミックスダブルスの長島理(WH1/LIXIL)・山崎悠麻(WH2/NTT都市開発)組がフィリピンのペアにストレート勝ちした。空調など風の影響を受けやすいバドミントン。今大会の会場も「シャトルがかなり流されてしまう」と山崎。そのため、「高いクリアでなく、低くついていくショットを試した」といい、また長島も「どれだけ風に順応できるかを考えながら試合の臨んだ」と話す。だが、そこは世界ランク2位のペア。感覚を確かめながらも圧倒的な強さを示し、白星で日本チームに勢いをつけた。
普段の大会ではあまり実施されない男子立位の団体戦(SL3—SU5)も行われ、日本は0-2でインドに敗れ、準々決勝敗退となった。下肢障がいクラスと上肢障がいクラスの組み合わせでメンバーが構成され、シングルス2戦とダブルス1戦で、先に2勝した方が勝つルール。相手のインドは下肢障がいのクラスのなかでも比較的障がいが軽いSL4の選手層が厚く、かなりの強敵。第1シングルスではSL4の竹山隆人(駅バドクラブ)が、ダブルスでは浦哲雄(SU5/グリーンスタンプ)・末永敏明(SL3/昭和電工)組がSU5・SL4のペアに挑んだが、最後までリズムを作り切れず、最後のシングルスにエントリーしていたエースの今井大湧(SU5/日体大)につなげられなかった。
それぞれ個人戦にもエントリーしており、末永は「チーム戦は残念な結果になってしまったが、個人では男子ダブルスとミックスダブルスに出場するので、さらに上げていって、メダルを獲得できるように頑張りたい」と話し、前を向いた。
女子車いすバスケットボールでは日本がタイに88-24で勝利。チーム最年少の20歳の柳本あまね(同志社女子大)は、快勝にも「改善できる点はまだある。決勝に出られるように、修正していきたい」と気を引き締め、「後半でも切れないスタミナでチームに貢献したい」とさらなる活躍を誓った。また、卓球では男子シングルスTT7で金子和也(TMI総合法律事務所)、TT3の吉田信一(ディスタンス)らが初戦に勝利した。
(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)