アジアパラ競技大会は11 日、競技6日目を迎えた。
テンピンボウリングは視覚障がい者によるチーム戦が行われ、日本の森寛樹(全日本障害者ボウリング協会)・小林和明(折尾スターレーン)・清杉政敏(フレンドリーアイ札幌)チームが銀メダルを獲得した。
チームは3人一組。もっとも障がいが重い全盲などの「B1」、弱視の「B2」「B3」のクラスがあり、3人のクラス合計「6」以内の組み合わせとなる。今回は12チームがエントリー。それぞれ3人が4ゲームずつ行い、その合計得点がより多いチームが勝者となる。確かな技術はもちろん、他チームの情報収集力や長丁場を乗り切る体力と集中力も求められる、実にタフな試合だった。
2ゲームを終えて3位につけた日本。3ゲーム目には隣レーンのマレーシアのMOHD RIZAL HASSANが300点の満点をマークする快挙を達成し、日本は順位をひとつ下げ、暫定4位に。最後の4ゲーム目に入ると、トップを走っていた韓国を、台湾とマレーシア、日本が猛追。勝敗の行方は最後まで分からなかったが、冷静を保ち、安定した投球を続けた日本が再び逆転し、合計2257点で2位に入った。優勝は2259点で台湾、3位は2236点で韓国。日本から出場したもうひとつのチーム(高木綾子・森透・尾崎登志夫)は7位に入った。
銀メダルが確定し、全員で喜ぶ日本代表メンバーたち。チーム最多の811点を取った小林は、「スタッフやコーチ、みんなで獲ったメダルです」と笑顔を見せた。
今回、日本チームには健常者ボウリングの世界チャンピオンである今井双葉選手、全日本ユースナショナルチームメンバーの徳久恵大選手がコーチとして帯同している。清杉は「後ろからサポートしてくれていい結果につながった」と話し、森も「我々にはぜいたくなコーチ陣。本当にもったいないくらい。たくさんの支えがあって修正できたし、頑張ることができた」と感謝の言葉を口にしていた。
最後にコメントを求めると、「金がいいです〜!」と声をそろえた3人。銀をバネに、この明るさでさらなる上を目指していく。
昨年8月に福岡で行われた世界選手権の個人戦女子全盲クラスで優勝した高木は、表彰台を逃し、「初めてのアジアパラで雰囲気にのまれてしまった。夢に出るくらい来たかった場所でしたが、目標にしていたアベレージ150には届かず、メダルも獲れなかったので悔しいです」と唇をかむ。だが、チーム戦ならではの応援が力になったと言い、「勇気を持ってプレーに臨めた。楽しく、勉強になった4日間でした」と話した。
大堂がアジア・オセアニア選手権に続き銅メダル獲得!
パラ・パワーリフティング男子88㎏級は、大堂秀樹(日本パラ・パワーリフティング連盟)が第3試技で195㎏を成功させて、銅メダルを獲得した。自己ベストを1㎏超える197㎏を目指していたが、死力を尽くした先月のアジア・オセアニア選手権から1カ月弱、「身体的にはギリギリだった」と大堂。それでもベテランらしい堅実な試技をみせ、会場をわかせた。
大堂がアジアパラ大会でメダルを獲るのは、アジアパラの前身の2006年フェスピックマレーシア大会以来、12年ぶり。
(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)