総当たりのリーグを戦っている5人制サッカー(ブラインドサッカー)日本代表は21日、強豪中国と対戦。0-0で引き分けて、勝ち点「1」をもぎ取った。
ゲームセットの瞬間、ピッチの選手もベンチのスタッフらも喜びを表した。
「このとおり0-0の引き分けですが、私たちとしては“してやったり”という感じ。見ている人からは、中国のボール保持率が高く、シュート数も多いと感じられたかもしれないが、こわいと感じることはなかったし、ボールを持たせただけ。日本の作戦にうまくハマってくれた」とキャプテンの落合啓士は胸を張った。
また、連動してカバーする日本の守備力を発揮できた。「チームでスライドを使いながら、右に左に組織的に動くシステムがうまく機能していていい守備ができていた」と、GKの安部尚哉は言う。
とはいえ、シュートを打たなければ得点にはつながらない。前線の黒田智成が「チームが守備をしっかりできたのはよかったが、個人としてはドリブルで攻撃できる場面もあり、点を取って勝つことも狙えたと思うとすごく悔しい。ドリブルから最後にちゃんと打てていれば……」と語るとおり、得点力が課題であることは間違いない。
中国戦で収穫と課題を得た日本代表は22日、大一番のイラン戦に臨む。落合は「(ロンドンパラリンピック出場権を逃した)2011年アジア選手権でイランに敗れた悔しい思いがある。しっかりと借りを返してアジア王者となって日本に帰国したい」と気合いを入れた。
魚住稿ヘッドコーチのコメント
「チームが掲げる今大会のテーマは、全チームをゼロに抑えること。強敵の中国を無失点に抑えられて、プラン通りの戦いができた。その中でカウンターで1点狙うことは叶わなかったが、最低限のことはできて満足している。日本の組織力をもって強豪相手にも互角以上にやれている手応えがある。今日のシステム的な動きを明日も継承し、フィジカルの強いイランにもなんとか対抗したい」
(取材・文/瀬長あすか、撮影/吉村もと)