「ヒューリック・ダイハツJapanパラバドミントン国際大会2026」は12日、東京体育館で各クラスの準決勝が行われた。
男子シングルスSU5では、第2シードの今井大湧(ダイハツ工業)がメリル・ロケット(フランス)と対戦し、21-18、21-12のストレートで下し、決勝進出を決めた。
第1ゲームは序盤から競り合いが続き、終盤は今井のミスなどから15-18と3点差をつけられた。それでも粘り強く追い上げて19-19に追いつくと、一気に逆転。第2ゲームはコートの風を計算したショットを選択して相手のミスを誘い、試合を優勢に進めた。
パリ2024パラリンピックで5位だった今井は、さらなる高みを目指して、この1年間は「身体づくり」に注力してきた。走り込みやノックではインターバルトレーニングを取り入れ、筋力増量にも挑戦した。60キロ台後半から70キロ程度だった体重は、今年7月のアイルランド国際の時点で77キロまで増加。そこから現在の73キロまで絞り、スピードとスタミナを理想的な状態で維持できているという。
ロケットとは、昨年9月の中国国際以来、約1年ぶりの対戦。過去の対戦成績は今井の5勝6敗で、直近2年間は勝利から遠ざかっていた強敵だった。それでも今井は、積み重ねてきたフィジカル強化の成果を発揮して接戦をものにした。
「今までは自分が動かされている印象で、去年の中国国際でも自分が入れるだけで精一杯だった。でも今日は、逆に自分がラリーの主導権を握れたし、相手を後手に回らせることができた。自分の成長を感じる一戦だった」
決勝では、パラリンピック2大会連続金メダリストのチア・リク・ハウ(マレーシア)と対戦する。過去19戦して白星はないが、今年2月の世界選手権、また3月のスペイン国際ではともに2ゲーム目で20点台に乗せている。同クラスのパリ大会上位選手のうちアジアの2人が戦線を離れていることからも、彼とは10月のアジアパラでも対戦する可能性が高い。「アジアパラ前に、このジャパン国際で勝ちたいと思っていた。いい流れを作りたい」と今井。世界の頂点に立つ絶対王者を相手に、今井がこの一年の成長を試す。
男子シングルスWH1では、西村啓汰(パシフィック車いすバドミントンクラブ)がシャシャンク・クマール(インドネシア)を21-10、21-10で破り、決勝に駒を進めた。クリアーをはじめとする精度の高いショットで相手を翻弄し、主導権を握った。西村は、2025年6月のタイ国際からWH2の梶原大暉(ダイハツ工業)と男子ダブルスを組み、実戦を重ねるなかでチェアワークにも磨きをかけてきた。
「これまではチェアワークは守備のためや、打たれたショットに頑張って走って追いつくものというイメージだったものが、今は展開を予測して逆に相手を動かすことに意識が変わってきた」と西村。この日の試合でも、素早く打点に入り、良い体勢からコントロールされたショットを打つことでポイントを重ねた。
決勝では、世界ランキング1位のムハンマド・イフワーン・ラムリ(マレーシア)と対戦する。過去7戦して勝利はないが、「決勝で対戦することを目標にしてきた」と西村。「スピードもショットのキレもある選手。うまく緩急を組み合わせたプレーで相手を追い詰めたい」と、ジャパン国際初優勝を見据えた。
男子シングルスWH2では、梶原が予選でも対戦したマルク・エルマー(スイス)を破り、決勝進出。大山廉織(KOMPEITO)もマレーシアの選手をストレートで下し、日本人対決となる決勝に駒を進めた。女子シングルスSL3では、河合紫乃(セイリン)も決勝に進出。男子シングルスSL3の藤原大輔(ダイハツ工業)は、世界選手権を制したプラモド・バガット(インド)にストレートで敗れ、決勝進出はならなかった。
最終日は各種目で決勝が行われる。世界トップとの対戦を重ねてきた日本勢が、東京の舞台で頂点を懸けて戦う。
(取材・文・写真/荒木美晴)
MA SPORTS 代表者、ライター