パラバドミントン — 2019/11/17 日曜日 at 9:20:00

【ジャパン国際】藤野、鈴木ら女子4組がファイナル進出!

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立位女子SL4シングルス準決勝で強敵をフルゲームの末に破り、決勝に駒を進めた藤野遥==国立代々木競技場第一体育館(撮影/植原義晴)

「ヒューリック・ダイハツJAPANパラバドミントン国際大会2019」は16日、各クラスの準決勝が行われ、立位女子SL4の藤野遼(福岡大)が第1シードのヘッレ・ソフィエ・サグエイ(ノルウェー)にフルゲームの末に競り勝ち、決勝進出を決めた。

まずは、接戦となった第1ゲームを取った藤野。そこから追いかけられる展開となったが、ファイナルゲームはミスを最小限に抑え、強化してきたフットワークでリズムを作り、強敵のサグエイを突き放した。17日の決勝では、藤野が高校生の時からの友人でありライバルでもあるという、中国のチェン・フーファンと対戦する。「決勝の舞台でフーファンとやるのが夢だった。このタイミングで対戦できて嬉しい」と藤野。運命の一戦も、自分らしいプレーで戦い抜くつもりだ。

立位女子SL3-SU5ダブルス準決勝は、鈴木亜弥子(七十七銀行)・伊藤則子(中日新聞社)組が山田麻美(Lava International)・亀山楓(高速)組にストレートで勝利した。決勝では、準決勝を不戦勝で勝ち上がった世界選手権優勝の中国ペアと対戦する。相手は下肢障害SL4同士のペアで動きが良く、これまで勝利したことがない。伊藤は「いかに相手にいい体勢で打たせないかがカギになる。まず1ゲーム目を取って波に乗りたい」と意気込みを語った。敗れた山田・亀山組も銅メダルを獲得した。

鈴木は立位女子SU5シングルス準決勝で豊田まみ子(ヨネックス)を破り、こちらも決勝に駒を進めている。決勝では世界選手権を含めて今年4連敗中のヤン・チュウシャ(中国)に一矢報いることができるか。互いを“最大のライバル”と認める大一番に、注目が集まる。

立位男子SU5で銅メダルを獲得した今井大湧。東京パラ出場に向けて「(残りの)3戦にすべてをかける」と意気込みを見せた

立位男子SU5シングルスで今井大湧(日体大)は準々決勝でイングランドの選手をストレートで撃破。準決勝では世界選手権3位で、健常の元マレーシアジュニア代表のチー・リクハウを追い込んだが、ゲームカウント0-2で敗れた。「自分のアウトのミスで、リクにラリーの主導権を握られてしまった」と今井。東京パラの代表選考ではダブルスの成績が優先されるが、今井はシングルスのみにエントリーし、ポイントレースを転戦している。今シーズンはまだ対象大会で優勝しておらず、「勝負どころで決められるように質の向上を意識して練習していきたい」。来年3月までの残り3戦ですべてをかけて戦う覚悟だ。

車いす男子WH2の梶原大暉(福岡市立福翔高)はシングルス、村山浩(SMBCグリーンサービス)と組むダブルスともにベスト4となり、銅メダルを獲得。また、立位SL3-SU5ミックスダブルスで末永敏明(昭和電工)・杉野明子(ヤフー)組も、それぞれ銅メダルを獲得した。

「世界女王」の女子車いすWH1の里見紗李奈(NTT都市開発)は、シングルスで準決勝敗退。世界選手権決勝で破った試合巧者のスジラット・ポッカム(タイ)に1-2と、リベンジされた。WH2の山崎悠麻(同)もまた、シングルス準決勝で敗れた。しかし、ふたりが組むダブルスでは見事に決勝進出を決めた。ダブルスの準決勝はそれぞれのシングルスのあとに行われたが、「負けて悔しいけれど、自分で思う限りの試合はできたので」(山崎)とすぐに切り替え、若い中国ペアを圧倒した。

里見・山崎組は東京パラリンピック出場ランキング堂々1位。決勝でもその実力を発揮し、2連覇を目指す。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)