車いすテニス — 2010/12/5 日曜日 at 23:58:11

マスターズにトップランカーが集結!国枝・上地が優勝、クアードは諸石が制す

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決勝までのすべての試合で圧倒的な強さを見せつけ、男子シングルスで優勝した国枝慎吾/撮影:吉村もと

今年で20回目を迎える「NEC全日本選抜車いすテニス選手権大会」が12月3日から3日間の日程で、柏市の吉田記念テニス研修センター(TTC)で開催された。5日は男子・女子・クアード(四肢まひ)の各クラスの決勝戦が行われ、男子は国枝慎吾、女子は上地結衣、クアードは諸石光照がそれぞれ制した。

今大会は、通称「マスターズ」と呼ばれ、シングルスの試合を行う。男子・女子はITF(国際テニス連盟)ランキング20位以内の選手およびJWTA(日本車いすテニス協会)ランキングの上位の選手および推薦選手1名の8名、クアードはITFランキング10位以内の選手およびJWTAランキングの上位の選手および推薦選手1名の4名のみが出場できる、ハイレベルな大会として知られる。

男子は、昨年は肘の故障で出場を見送った国枝が、昨年覇者の齋田悟司を6-1、6-2で破り、チャンピオンに返り咲いた。現在、世界ランキング1位の国枝は、先月の世界マスターズ(オランダ)で実に3年ぶりに敗戦を喫し、世間に衝撃を与えた。しかし、「課題は明確」と話し、すでに気持ちは切り換えている。試合後のスピーチでは、「“もう一度、スタート”のつもりで今大会に臨んだ。遠征の疲れもあったが、2年ぶりの今大会で優勝できて嬉しい」と素直に喜びを表現した。

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若干16歳ながら、いまや日本女子のエースに成長した上地結衣

女子は、16歳ながらJWTAランキング1位の上地が、同2位の堂森佳南子に6-0、6-2のストレート勝ち。大会3連覇を果たした。次の目標を、来週から始まる広州アジアパラ競技大会に置き、「時間がないけれど、次も良い成績が残せるよう、今大会で見つかった課題を修正していきたい」と語った。

クアードは、諸石がベテランの木村禎宏に6-1、7-6で勝利、初優勝した。第2セットをタイブレークの接戦の末にもぎ取った諸石は、「今年は、マスターズに出場することを目標に頑張ってきた。優勝できて、とても嬉しい」と笑顔を見せた。

広州アジアパラ競技大会(12日開幕)には、男子は国枝、齋田、藤本佳伸、女子は上地、堂森、岡部裕子が出場する。齋田は日本選手団の主将をつとめる。

▼NEC全日本選抜車いすテニス選手権大会の結果

男子シングルス 優勝/国枝慎吾 2位/齋田悟司 3位/藤本佳伸・眞田卓
女子シングルス 優勝/上地結衣 2位/堂森佳南子 3位/福田恵・岡部裕子
クアード 優勝/諸石光照 2位/木村禎宏 3位/川野将太 4位/古賀貴裕

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クアード(四肢まひ)クラスを制した諸石光照

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ボールボーイをつとめたTTCジュニアのメンバーと優勝者

(取材・文/荒木美晴、撮影/吉村もと)

※国枝慎吾選手インタビュー「もう一度、挑戦者に」は、後日アップします。
 お楽しみに!