ロンドン2012, 車いすテニス — 2012/9/6 木曜日 at 21:44:29

【9月5日/第8日目】国枝が準決勝進出、ダブルスではベスト4入りならず=車いすテニス

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男子ダブルス準々決勝で盤石の強さを見せたディフェンディングチャンピオンのウデ・ジェレミアス組(フランス):撮影/吉村もと

現地時間の5日、車いすテニスは男子シングルス、ダブルスの準々決勝などが行われた。

男子シングルスでは、日本の国枝慎吾(ユニクロ)が第5シードのマイケル・ジェレミアス(フランス)と対戦。6-0、6-2で勝利し、準決勝進出を決めた。

強敵のジェレミアスをストレートで破り、力強いガッツポーズを見せた国枝

第2セット序盤はチェアーワークを活かして動きまくる国枝。対するジェレミアスも強打で応戦。強烈なラリーが続く場面もあり、元世界ランク1位同士の戦いにふさわしいゲームになった。2ゲームを連取された国枝だったが、「彼が反撃してくるのは予想していた」。打ち合いの緊迫の場面でドロップショットを織り交ぜるなど、冷静な試合運びで主導権を握り勝利した。

試合後、国枝は「ジェレミアス戦では先行していくことが大事と考えていました。サービスキープすればプレッシャーをかけられるので、大胆にいこうと。リターンも積極的にプレーしてブレークできたので良かったと思います」と話した。

優勝候補筆頭のフランスペアに惜しくも敗れた国枝・齋田組

日本勢の男子ダブルスはベスト8で姿を消す

男子ダブルス準々決勝には日本の2組が登場。まず、国枝慎吾・齋田悟(ロキテクノ)組は、ウデ・ジェレミアス組(フランス)と対戦。相手は北京パラリンピック金メダルペアで、以前国枝が「このペアは頭ひとつ抜けている」と話していた強敵だ。

日本は齋田がネットプレーで相手を追い込み、国枝がスピードを活かしたリカバリーショットを決めるなど、さすがのコンビネーションを発揮。だが、相手は“ダブルスの名手”であるジェレミアスが巧みに試合をコントロール。ウデもいきいきとコートを動きまわり、ゲームを支配した。国枝・齋田組は最後まで反撃するが、3-6、1-6で敗戦。準々決勝で敗退となり、3位に終わった北京のリベンジは果たせなかった。

三木・眞田組は、「この舞台に出られたことが大きかった」

三木拓也・眞田卓(埼玉トヨペット)組は、第2シードのアマラーン・ヴィンク組(オランダ)と対戦。第1セットは日本が緩急をつけたショットで相手を翻弄し、6-1で先取した。しかし、第2セットに入ると、経験豊富な相手ペアのボール運びに苦戦を強いられ、逆転負けを喫した。

三木は相手ペアについて、「1セット目を奪われると2セット目も同じ展開になりやすいのに、我慢する技術があるのはさすがだなと思いました」とコメント。眞田は「勢いでプレーをしてしまい、展開が早くてミスが増えた」と敗因を分析。

ふたりともパラリンピックは初出場。ロンドンに出発する1週間前にペアを組むことが決まり、日本で練習をしたのが「3回くらい」だったという。2回戦でタイのペアに勝利した後、眞田が「互いのパズルを組み合わせていく感じ」と話したが、すべての経験を吸収して成長し、3回戦まで進んだ。ロンドンでの数日間は、何にも変えられない貴重な経験となったはずだ。眞田が「この結果を受け止めて次は勝てるようにしたい」と話したように、すでに二人の視線は未来に向いている。