4月23日から26日までの日程で、兵庫県三木市のブルボンビーンズドーム他で車いすテニスツアーの「ダンロップ神戸オープン」が行われた。
16回目の開催となる今大会は、去年とは少し違う熱気を帯びていた。今年からITF(国際テニス連盟)NEC車いすテニスツアーの「ITF3」にグレードを上げ、国内外トップクラスの選手がエントリーできるようになり、世界レベルの試合が展開されるようになったからだ。
北京パラリンピック金メダリストの国枝慎吾もエントリー。大会の10日前にプロ転向を表明したばかりの国枝のプレーには、観客、また多くのメディアから注目が集まった。
23日、男子シングルスの初戦に快勝した国枝は、「最初は体が硬かった」と話しつつも、そこは世界王者らしく冷静に自分をコントロールし、次第に本来の動きを取り戻した。決勝では、北京パラリンピック代表の藤本佳信をストレートで下し勝利。その藤本とペアを組んだダブルスでも優勝し、世界ランキング1位の貫録を見せつけた。
5月からは本格的にツアーに参戦する国枝。12日に始まる韓国・テグオープンに出場したあとは、19日からのジャパンオープン(福岡県飯塚市)、さらに6月3日からの全仏オープンと、ビッグトーナメントが続く。国枝は、「ほかのトッププレーヤーと比べると、今はあまり試合数を入れてない方なんです。2位(フランスのステファン・ウデ)も迫ってきてるんで、もうちょっと試合しないとヤバいなという気持ちはありますね」と話し、表情を引き締めていた。
(記事/荒木美晴)