車いすラグビー — 2022/9/5 月曜日 at 17:25:04

【東京予選】Okinawa HurricanesとTOHOKU STORMERSが本選出場

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スピードを活かした鋭い攻撃で得点を重ねたザチャリー・マデル(中央)。渋谷区長杯のMVPを受賞した=渋谷区スポーツセンター(撮影/植原義晴)

「渋谷区長杯 第5回車いすラグビー大会 兼 第24回車いすラグビー日本選手権予選東京大会」が3日から2日間の日程で、渋谷区スポーツセンターで開催された。3チームが出場して総当たりを2回実施し、Okinawa Hurricanes(沖縄)が4勝、TOHOKU STORMERS(東北)が2勝2敗で日本選手権の出場を決めた。AXE(埼玉)は善戦するも勝利はならず、12月のプレーオフにまわる。

Okinawa Hurricanesが僅差の試合を制し、全勝優勝を果たした。2004年アテネ大会から4大会連続で日本代表としてパラリンピックに出場した仲里進(2.5)、カナダ代表でもあるザチャリー・マデル(3.5)がパワフルなオフェンスでトライを重ね、存在感を見せた。

第6試合のTOHOKU STORMERS戦は、序盤から一進一退の攻防が続く白熱した展開となり、3分間の延長戦に突入。ティップオフはTOHOKU STORMERSの橋本勝也(3.5)が取るが、ルーズボールをマデルが奪うと、仲里につないで先にトライ。そこから互いに得点し、61-61の同点となった試合時間残り14秒の場面で、マデルが頭脳プレーを見せる。Okinawa Hurricanesのスローインで熾烈なポジション争いが繰り広げられるなか、マデルが味方のインバウンダーの前に相手選手を後ろから押し込み、ワンメーター・ファウル(スローインを行う位置のラインから半径1m以内に入った場合のファウル)を奪う。これにより、TOHOKU STORMERSはひとり少ない状態で戦うことになり、最後はマデルが得点を決めて、Okinawa Hurricanesが62-61で勝利した。

若手注目株のひとり、AXEの青木。あこがれは「同じチームの羽賀選手」と話す17歳だ

TOHOKU STORMERSはAXEに2勝して、2位で本大会出場権を獲得。ケガなどより出場機会が少なかった選手もおり、万全のチーム状態で臨む日本選手権でのさらなる飛躍に期待したい。AXEもベストメンバーでは臨めず想定外のラインで出場することになったが、高校生の青木颯志(2.0)ら若い選手の出番が増え、経験を積むことができた。キャプテンの羽賀理之(2.0)は青木について「落ち着いてボールを持って立ちまわっていた。すごい成長」と評価。プレーオフでの戦いも注目したい。

10月29~30日には福岡大会(田川市総合体育館)が行われる。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)