千葉ポートアリーナで3月20日から2日間にわたり、「2021ジャパンパラ車いすラグビー競技大会」が開催された。新型コロナウイルス感染拡大の影響で海外勢の参加を見送り、日本代表候補選手で構成した3チームで頂点を争った。
21日の決勝は、池透暢(日興アセットマネジメント)率いる予選2勝のBチームと、池崎大輔(三菱商事)を擁するCチームが対戦。前半は1点差の均衡が続くが、後半に連続得点を入れたCチームが52-48で勝利した。
日本代表の国際試合は、2019年10月に東京で開かれた「ワールドチャレンジ2019」が最後。今大会も海外勢との交流は叶わなかったが、選手たちは久しぶりの実戦でイキイキとした動きを見せた。決勝で最多30得点をマークしたCチームの橋本勝也(福島県立田村高)は、「試合をするたびにプレーも雰囲気も良くなっていった。初戦は距離感が近すぎてうまくプレーが進まなかったので、その反省を生かせた。一方でミスも多く、ターンオーバーから失点する場面もあって、まだまだだなと思った」と、実戦ならではの気づきがあったと語る。また、代表キャプテンを務める池は「バラバラのチームで対戦したから見えた成長や課題がある。次への糧になる」と振り返り、今夏のパラリンピックで悲願の金メダル獲得に向け、さらなるスケールアップを誓っていた。
また、決勝戦の前には「Low Pointers Game(ローポインターズゲーム)」が行われた。持ち点が0.5~1.5点の障害が重い選手のみが出場し、コート上の4人の持ち点の合計は3.5点以内で編成する。普段は主に守備面でチームを支えるローポインターが、この日は自らボールを運び、ゴールを決める激しい攻防を繰り広げた。選手からは「通常の試合でもローポインターもゴールへの意識を持つことが大事。貴重な経験になった」と声があがっていた。2022年にはアメリカでローポインターズゲームの世界大会が開かれる予定だ。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)