車いすラグビー — 2023/1/22 日曜日 at 23:15:05

Freedomが悲願の初優勝!

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Freedomのヘッドコーチ兼選手として優勝に貢献した池=千葉ポートアリーナ(撮影/植原義晴)

「第24回車いすラグビー日本選手権大会」が1月20日から3日間にわたり、千葉ポートアリーナで行われた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で3年ぶりの開催となり、予選を勝ち上がった8チームが参加。決勝は、Freedom(高知)がTOHOKU STORMERS(東北)を51-45で破り、初優勝を果たした。

2年連続で準優勝だったFreedomが、ついに栄光を掴んだ。決勝は、一進一退の攻防が続くが、第2ピリオド序盤にTOHOKU STORMERSのインバウンドを白川楓也(3.0)がインターセプトしてターンオーバーに成功。さらに、池透暢(3.0)が相手のパスをカットして再びトライにつなげるなどしてリズムを引き寄せ、リードを奪った。その後も素早いトランジションで点差を広げ、勝利した。

初タイトルを手にしたFreedomの選手とスタッフ

大会MVPを獲得した池は2012年に本格的にFreedomに参加し、ヘッドコーチ兼選手としてチームを引っ張る。池が加入した当時を知る和田将英(2.5+)や畑中功介(2.0+)らベテラン勢も奮起し、全員で勝利をつかみ取った。Freedomは高知に加えて、東京や北海道、大阪など各地からも選手が集まる。白川は北海道のチームから移籍し、より多彩なラインナップが組めるようになったことも勝利につながった。池は試合後、「3度目の正直で、優勝できてうれしい。(連覇に向けて)またこのメンバーで笑顔が見られるように頑張りたい」と話した。

一方のTOHOKU STORMERSは、敗れたものの2017年のチーム結成以来、初めて決勝の舞台に立った。得点源として攻守で活躍した橋本勝也(3.5)は、「本当に悔しいし、今の実力では優勝には届かないということ。でも、すべてを出し切れた。ベンチもすごく声を出してくれたし、最後まで全員で戦えた。今までで一番楽しい大会だった」と、振り返った。

攻防を繰り広げる島川(右)とマデル

3位決定戦はBLITZ(東京)とOKINAWA HURRICANESが対戦し、後半に逆転に成功したBLITZ が52-47で勝利した。過去最多8回の優勝を誇るBLITZは、今大会は登録メンバーは参加チームのなかで最も少ない6人。ラインナップにも限りがあるなか、日本代表でもあるベテランの島川慎一(3.0)を中心に攻撃を組み立て、最後まで勢いを保った。OKINAWA HURRICANESはカナダ代表の”ザック”こと、ザチャリー・マデル(3.5)が加入。逆転を許した後半もトライを重ねて追いかけたが、届かなかった。

5位はAXE(埼玉)、6位はFukuoka DANDELION、7位はRIZE CHIBA、8位はSILVERBACKS(北海道)だった。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)