車いすラグビーの世界選手権は15日、準決勝が行われ、日本代表はアメリカに52-57で敗れた。最終日を迎える16日は3位決定戦にまわり、予選リーグで勝利したデンマークと再戦する。
アメリカとは約3年ぶりの対戦。昨年の東京パラリンピックで銀メダルを獲得した強豪は、今大会は予選リーグでフランスに敗れるなど波があったが、この日の日本戦では集中力を高め、実力を発揮した。
日本は前半、アメリカのプレッシャーの速さにリズムを崩され、パスミスやインバウンドをカットされるなど連携が乱れてターンオーバーを許してしまう。ハイポインターに相手ディフェンスが2人ついて動きを封じられ、また時間を使って攻撃の形を作っても、ゴール前に4選手がずらりと並んで守備を固めるキーディフェンスを徹底され、得点のチャンスを幾度と失った。
第3ピリオドで日本は初めて連続得点を奪うが、点差は縮まらず、最終ピリオドも全員プレーで盛り返すが、届かなかった。
キャプテンの池は、「アメリカの当たりに重さがあって、相手がキーディフェンスをしたときに一度目のアタックのあとに次のポジションをとるまでにちょっと時間がかかった。全員のタイミングが掛け違ったのが、序盤の空回りの原因だと思う。勝つぞ、という気持ちが強すぎて頭から突っ込んでしまったようなゲームだった」と話し、「うまくかみ合わないときに、選手たちが瞬時に戦略を変化させないといけない」と振り絞った。
(取材・文・撮影/荒木美晴)