4年に一度開催されている車いすラグビーの世界選手権が10日、デンマークのヴァイレで開幕した。世界ランキング上位12チームが集結。同1位の日本代表は11日に初戦を迎え、コロンビアを60-34で撃破。同日にデンマークとも対戦し、延長戦の末に61-60に勝利した。
会場が地元・デンマークの大応援団の歓声に包まれる“アウェー”のなか、日本代表が奮い立った。登録12人のメンバーは東京パラリンピックのときと同じだが、今の日本は多彩なラインナップが組めるのが強み。第1ピリオド、池透暢(3.0)、島川慎一(3.0)、羽賀理之(2.0)、倉橋香衣(0.5F)でスタートすると、状況に応じて投入されたハイローラインやバランスラインがリズムを変え、デンマークの守備を混乱させた。相手のハイポインターの走力やインバウンダーが出すボールとの距離感にてこずり、一時リードを許す展開にはなったが、練習を積んできた日本は最終ピリオドに再び追いつき、3分間の延長戦でもターンオーバーに成功。しっかりと要所を抑えて、勝ち切った。
ファ―ストラインで得点を量産した島川は、「デンマークは日本の対策をしっかりしてきた」と振り返り、「しびれる展開だったけれど、俺たちが絶対に勝つと思っていた。時間をしっかり使ってラストゲームが決められるのは、今の日本の強さだと思う」と話し、自信を見せていた。
日本代表は2010年大会が3位、2014年大会が4位、前回2018年大会で金メダルを獲得している。今大会は連覇を目指す。
(取材・文・撮影/荒木美晴)