東京体育館で行われている「三井不動産 2023 ワールド車いすラグビー アジア・オセアニア チャンピオンシップ(AOC)」は30日、競技2日目を迎えた。世界ランキング3位の日本は、同15位の韓国を70-18で、また同2位のオーストラリアを57-52で下した。
多彩なラインナップが最大の強みである日本。序盤から大差をつけた韓国戦では、持ち点最大合計の「8点」に満たない、若山英史(1.0)、今井友明(1.0)、羽賀理之(2.0)、中町俊耶(2.0)の「1-1-2-2」ライン、今井(1.0)、乗松聖也(1.5)、羽賀(2.0)、中町(2.0)の「1-1.5-2-2」ライン、若山(1.0)、今井(1.0)、小川仁士(1.0)、島川慎一(3.0)の「1-1-1-3」ラインでプレーする場面も。
小川は試合後、「合宿では練習していないラインだけど、瞬時にナンバー1から4までを決めて、役割にあったプレーを意識した。でも、それはいつものハイローラインやバランスラインも同じで、すべてのラインに言えること」と語り、経験を活かして臨機応変に対応できたと話す。また、中町によれば、関東周辺の選手が集まって一緒に練習する際にはこうしたラインで組むことがあるといい、「ケビンに行けと言われて、『できます』という感じ。阿吽の呼吸、コミュニケーションも密に取れた」と振り返り、自信を深めた様子だった。
なお、韓国はこの試合をもって棄権し、残りのゲームはエキシビションゲームとして参加することが発表された。
オーストラリア戦は、序盤から互いに点を取り合うシーソーゲームに。28-29と1点ビハインドで迎えた第3ピリオド、流れを変えたのは前半も幾度と相手のエース、ライリー・バット(3.5)を抑えた日本が誇るローポインターだった。インバウンドを受けてボールを前に運ぼうとするクリス・ボンド(3.5)の動きを読んだ若山がうまくタイヤを当てて止め、さらにボンドを挟み込むように今井がディフェンス。ボンドのパスミスを誘った。そして、先にターンオーバーを決めて流れを引き寄せた日本は42-41と逆転に成功。
最終ピリオドも、素早いディフェンスで相手の攻撃を封じて2点差とすると、残り4分半にはバットをマークしていた島川がインバウンドをカット。再び連続得点に成功し、難敵を突き放した。
日本は開幕4連勝。予選リーグ首位が確定し、最終日の決勝進出を決めた。
(取材・文・撮影/荒木美晴)