東京体育館で行われている「三井不動産 2023 ワールド車いすラグビー アジア・オセアニア チャンピオンシップ(AOC)」は1日、予選リーグの最終日を迎え、日本はニュージーランドに49-40で勝利し、2日の決勝に向けて弾みをつけた。
序盤はシーソーゲームとなるなか、長谷川勇基(0.5)や乗松聖矢(1.5)らが相手のミドルポインターやハイポインターの動きを止め、また小川仁士(1.0)がニュージーランドのインバウンドをカットしてターンオーバーに成功するなど、高い集中力と守備力を発揮。7点差をつけた後半はさらに点差を広げ、強敵を突き放した。
幾度と相手の動きを止めた長谷川は、「味方のハイポインターが、しっかりエリアをみてディフェンスをしてくれているので、僕らローポインターはそこに行けば止められるという、チームディフェンスが出来ている」と振り返り、決勝に向けては「ここで負けては意味がない。必ず勝つという気持ちで集中している」と力強く話した。
また、予選リーグ最後の韓国戦は相手の棄権により、エキシビションゲームとして実施。58-20で韓国を下した。
【決勝はオーストラリアと対戦】
1日の決勝で日本は、たった一枚のパリ2024パラリンピック行きの切符をかけて、オーストラリアと対戦する。
韓国戦後に取材に応じたケビン・オアーHCは、「オーストラリアは非常に良いチームで、素晴らしいゲームになると思う。日本は4人のハイポインター(池・池崎・島川・橋本)がいて、相手は2人(バットとボンド)。後半は必ずオーストラリアに疲れが見えてくるので、そこがチームとしての差となる。日本はこの強みをしっかり使っていきたい」と話した。
また、池崎大輔(3.0)は、ここまでの戦いを振り返り、「オフェンスもディフェンスも、チーム一丸となって強気でいって、自分たちの流れに持っていけた。一方で、しっかりスペースを取る、しっかりボールにプレッシャーを与えるといった、自分たちがやってきたことをより精度よく出すことが課題に挙がっている。チームでコミュニケーションをとって、決勝では今までで一番いいプレーをして、いい結果を残したい」と、意気込みを語った。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)