18日にウィスラー・クリークサイドで行われたアルペンスキー・男子ダウンヒル座位にて森井大輝(LW11)が銀、狩野亮(LW11)が銅をとり、ともに表彰台へあがった。今日の日本はクロスカントリーでも金をとりメダルラッシュとなった。
これにより日本のメダル獲得数は計6個でオーストリアと並ぶ7位になった。
天気には恵まれたが、途中棄権者が続出した今日のレース。王者Martin BRAXENTHALER(ドイツ・LW10-2)も滑りきることが出来なかった。1位になったスイスのChristoph KUNZ(LW10-1)は「ダウンヒルは座位で一番技量が問われると思っているから、すっごく気分がいいよ」と16日の銀メダルに続く金メダルを喜んだ。
森井大輝のコメント
「最高です。すごく嬉しい。ダウンヒルは得意じゃなくて、スーパーGに焦点をあてていたけど、自分の中でも納得のいくすごくいい滑りが出来た。コーチの指示が的確だった事も勝利の一因」
「(仲のよい3人の中で)昨日、鈴木猛史だけが銅をとって先をこされたけど、今日、狩野と2人でとれて良かったです」
狩野亮のコメント
「一人だけの力じゃない。いつも一緒に滑っている仲間と一緒に表彰台に上がれてすごく嬉しい。家族よりも近い存在ですからね」
一方、女子の座位は出場した大日方邦子(LW12‐2)、青木辰子(LW10‐2)ともに途中棄権。特に大日方は転倒でヘリコプターで運ばれるほどであった。
青木辰子のコメント
「今日はラインを読み間違えた。すっごくガタガタで転倒してしまった。滑り終えられなくてとても残念だけど、明日のスーパーGで勝ちにいきます」と翌日への意気込みを語った青木は、大日方の容態について聞かれると、「彼女は大丈夫と聞いています。でもお見舞いに行こうと思います」とライバルでもあるチームメイトを気遣った。
男子立位は、ドイツのGerd SCHONFELDER(LW5/7-2)が今大会2個目の金メダルを獲得。
SCHONFELDERのコメント
Q.「今日の勝因はなんだと思いますか?」
A.「今日の勝因は本当にわからない。今日はすごくしんどかった」
Q.「今までのメダルはどこに置いてあるのですか?」
A.「家にガラスケースに入れて飾ってる。でも、1回のパラリンピックに対して1個だけだよ」
Q.「たくさんの選手たちが、あなたを“生きる伝説”と呼んでいる事をどう思いますか?」
A.「たぶん…、僕は本当に長い間トップレベルにいるんだ。たしか今回で19シーズン目を迎え、毎回トップ10、いや、トップ5以内にいる。今日は僕の14個目の金メダルだ。でも僕は伝説なんかじゃないよ。スキーとレースを楽しんでるに過ぎないよ」
Q.「この先の展望は?」
A.「たぶん来年イタリアで行われるワールドカップを最後にすると思うよ。パラリンピックはこれが最後だよ。絶対とは言い切れないけど、きっとね。もう39歳だし、十分な結果も手にしている。潮時だと考えてるよ」
彼の妻は現在妊娠中で出産予定日は今月20日だ。「頼むから僕が帰るまで、産まないで欲しいよ。間に合うことを願ってるよ」
【男子ダウンヒル・座位の成績】
2位 森井大輝(LW11)
3位 狩野亮(LW11)
11位 鈴木猛史(LW12-2)
【女子ダウンヒル座位の成績】
途中棄権 大日方邦子(LW12-2)
途中棄権 青木辰子(LW10-2)
【男子ダウンヒル・立位の成績】
12位 小池岳太(LW6/8-2)
15位 三澤拓(LW2)
(取材・文/加々美美彩、撮影/ナカハル)