旌善アルペンセンターでは14日、アルペンスキーの大回転が予定を変更して行われ、村岡桃佳(早稲田大)が金メダルを獲得した。
村岡は1本目で2位に1秒40差をつけてトップに立つと、2本目も積極的な滑りで逃げ切った。
フィニッシュ地点にはチームメートの本堂杏実(日体大)が待っていた。駆け寄る本堂の目には涙が。「なんで本堂のほうが号泣しているんだと。なぜか私がもらい泣きしちゃいました。でも、安堵感と嬉しい気持ちでいっぱいでした」と村岡はゴール後の心境を語る。
2本滑る大回転では、1本目が好成績でも2本目で逆転されることが多かった。自分の滑りに集中することを意識しすぎて、タイムにつながらないことも。だが、今回は緊張のなかにも冷静な自分がいた。自分の滑りを分析・修正しながらコースを駆け下りた。
「どうしても、金メダルが欲しかった。昨日の時点で残っている種目が、大回転と回転。だからチャンスは今日しかないと思っていました。そのためにはフルで攻めていって、あとは勝つか転ぶか、という滑りをしようと思っていました」
その言葉通り、村岡は得意のカービングターンで攻め、金メダルという夢を結実させた。
今大会、5種目にエントリーしている村岡は、滑降で銀、スーパー大回転で銅、スーパーコンビで銅メダルを獲得。今日の大回転で自身4個目のメダルとなり、金・銀・銅をコンプリート。残すは最終日の回転を制して、「全種目表彰台」を狙う。
(取材・文:荒木美晴、写真:フォトサービス・ワン/植原義晴)